防ごう!電気火災
身近に潜む電気火災
電気火災とは、電気や電気製品にかかわる火災のことを言います。
建物火災の出火原因である電気機器と配線機器を合わせると、令和5年中では全国で1番多い出火原因となっており、丹波篠山市でも2番目に多い出火原因となっています。電気火災の中でも配線機器によっておこる火災は、火を使用している意識がないために、火災に気づきにくい特徴があります。今回、電源プラグとたこ足配線を原因とする出火について説明します。
電源プラグのトラッキング現象
トラッキング現象について
トラッキング現象はコンセントに差し込んだプラグの周辺に埃や湿気などが付着することにより、差込プラグの刃の間に電流が流れ、火花放電を繰り返すことで、炭化し電気の通り道が形成され、出火する現象です。
トラッキング発生の流れ
・長期の使用中に、プラグとコンセントの間のわずかな隙間に埃が堆積する
・堆積した埃が空気中の湿度を吸収して栓刃間で埃を介して電流が流れる
・上記のことを繰り返す間にプラグの栓刃間の絶縁樹脂表面が炭化する
・炭化が進むことによって栓刃間の樹脂表面で電流が流れ始める
・絶縁樹脂の抵抗値が下がることで、樹脂表面を流れる電流量が徐々に増加する
・電流量の増加によって、発熱が大きくなり、炭化が進む
・プラグ樹脂表面の栓刃間で絶縁が破壊し、ショートによる火花で発火する
【トラッキング現象イメージ図】
【トラッキング現象による発火:NITEの再現実験画像】
たこ足配線の危険性
延長コードやテーブルタップなどを連結し差込口を増やすたこ足配線は、テーブルタップなどの定格電流を上回る電流が流れ込み、電源コードや電源プラグが異状発熱し、この状態が継続することで発火するおそれがあります。
【たこ足配線の例】
上記の状態で継続使用した場合、次のように発火するおそれがあります。
※このページのすべての画像は、製品評価技術基盤機構NITEから提供してもらっています。
予防対策とまとめ
・定期的にプラグ部を抜き、埃などのゴミがたまっていないか確認し、乾いた布で埃を取り除くなど維持管理をしましょう。
・テーブルタップやマルチタップを連結させない。テーブルタップは、差込口の数だけ電気製品を使用できるものではありません。定格電流を超えないように管理しましょう。
参考資料 総務省消防庁のリーフレット⇒住宅火災における電気火災に注意(PDFファイル:2.4MB)
更新日:2025年01月20日