実験中!田んぼにカエる脱出ネット(ささやま写真新聞)
農都環境課では、コンクリート水路に転落したカエルを救うための脱出ネットの実証実験に取り組んでいます。
カエルが移動途中にコンクリート水路に転落すると、手足に吸盤のない種は壁をよじ登って脱出できず、そのまま流されて死んでしまうケースが多く見られます。
カエルは、害虫を含むさまざまな昆虫を食べると同時に、ヘビや鳥などの餌になることから、農村地域の生態系のバランスを維持するための重要な生きものであることが知られています。
篠山市内には8~10種類のカエルが生息していますが、トノサマガエルやツチガエル、ヌマガエル、アカガエル類は手足に吸盤がなく、一度水路に落ちてしまうと、壁をよじ登って脱出することが困難です。

集水桝まで流されて脱出できないカエル
農業の妨げにならず、手軽に取り組める方法で、カエルの脱出を手助けできないか。
愛知県農業総合試験場が開発した脱出ネットを参考に製作し、その効果について実証実験をおこなっています。
実験は10月から真南条営農組合の協力を得て、同地区内の水路3か所に設置して実施。
検証用にカメラを設置したところ、さっそくネットから脱出している様子が撮影されました。

脱出していたのはアカハライモリでした。
カエル同様、手足に吸盤がないため、コンクリート水路に落ちてしまうと、よじ登ることができない生きものの一つと考えられます。
まだ篠山では広い範囲で見られますが、多くの場所で減少傾向にあり、環境省レッドリストでは準絶滅危惧、兵庫県版レッドリストでは要注目というランクに指定されています。
多くのカエルは冬眠に入ってしまいましたが、刈草の詰まり、ネットのめくれや曲がりなど、維持管理上の課題についても検証をつづけていきます。
更新日:2020年03月24日