日本農業遺産への挑戦(市長日記R2.7.10)

更新日:2020年07月10日

令和2年7月10日

今年、コロナに負けず大きな挑戦があります。それは丹波篠山の黒大豆栽培の「日本農業遺産」への挑戦です。これは何かと言うと、「何世代にもわたり継承されてきた独自性のある伝統的な農林水産業とそれに関わって生れた文化、ランドスケープ、農業生物多様性などが一体となった、将来に受け継がれるべき重要な農林水産業システム」を認定されるものです。

現在全国では15地域、県内では美方地域の但馬牛システムが認められています。

 

黒大豆「丹波黒」は、世界一の極大粒といわれるダイズで、煮豆にすると皮が破れにくくよく膨らみ、漆黒の色つやと広がる芳香、もちもちとした食感は、将軍家に献上され或いは宮内省がお買い上げになるなど、古くから最高級品とされてきました。

「丹波黒」は丹波篠山市の農家の大半が生産する特産物で、栽培面積は557ha、栽培農家は2660戸で市内全農家の53.6%を占めています(平成30年(2018))。

この丹波篠山市の「丹波黒」は、「優良種子生産方式」と「村ぐるみ生産方式」を以て栽培が維持されてきたものです。

選抜育種の歴史は、今日の百粒重80gにおよぶ大粒の黒大豆「丹波黒」を育んできました。

また、「丹波黒」の栽培は第2種兼業農家による小規模栽培が中心となっており、支えているのが「村ぐるみ生産方式」です。これは集落単位の生産組合のことで、機械の共同利用を主とした話し合い、助け合いを旨とし、村ぐるみで話し合い、組織的に水不足に対応してきた、江戸時代から続く風土が活かされています。

丹波篠山市の「丹波黒」は、全国の2割に相当する栽培面積を誇り、売り上げは25億円を超えています。丹波篠山システムはその品質と生産量を守り、ブランド維持に大きく貢献しています。

日本農業遺産に登録する風景の写真、高畝栽培、畦畔栽培(畦豆)、黒豆栽培、灰小屋と土水路

(上から、高畝栽培・畦畔栽培(畔豆)・黒豆栽培・灰小屋と土水路)