市の医療を守るため(市長日記R4.7.27)

更新日:2022年07月27日

令和4年7月27日

市の大きな課題が医療です。

約2年前に市内の大きな医療機関である兵庫医大ささやま医療センターと岡本病院から、両病院とも経営が厳しいので、「統合のうえ市立病院にする」ことの提案がありました。しかし、市が病院を持つことは容易なことではありませんので、専門の調査会社に委託して調査を続け、先日、市の考え方の素案を示しました。

それは、ささやま医療センターは急性期医療、岡本病院は福祉や介護を中心とした医療、というように役割を分担して連携を図っていただくというものでした。

 

7月21日には、両病院の関係者や市医師会、市民代表、兵庫県などの関係者の会議を開催しました。

しかし、冒頭から兵庫医大からは丹波篠山市で赤字のまま経営を続けることについて、強い意見が述べられ、医師会からは経営の安定のためには市が運営することへの意見、さらに、専門家の方からは市が病院を持ったり、運営したりすることが全国的に見ても極めて難しいことなどの意見が出され、混迷しています。

 

したがって、このままでは前に進みませんので、次回は論点を分け、委員を少人数にして、ひとつひとつ議論することとなりました。

1 兵庫医大ささやま医療センターの経営状況

2 ささやま医療センターと岡本病院の統合上の課題

3 丹波篠山市にとって必要とされる医療はどれほどのもので、その確保の方策はどのようなものがあるのか

4 協定方式と指定管理方式の現状と課題

5 丹波篠山市や市医師会があるいは両者が共同して病院を運営できるか、その課題

など議論する予定です。

 

歴史をたどればもともと丹波篠山市では、国立篠山病院が医療を担っていました。

ところが、国は地域医療を担わないこととなり、昭和60年国立篠山病院は国からの移譲対象に、その後、多紀郡町村会、篠山町によって兵庫医大への誘致活動がなされ、平成9年に国立篠山病院は兵庫医大に移譲され、兵庫医大篠山病院が開院しました。

しかし、平成19年頃、協定期間の10年を前に、兵庫医大が撤退の意向を示されたため、兵庫県を交えて協議を進め、平成20年市からの運営補助金年間1億8千万円(内9,000万円は救急の受入れ実績に応じて、ささやま医療センター・岡本病院・にしき記念病院に配分)、病院建設費補助約20億円、10年間の協定で合意しました。

平成22年には、新しく病棟も建て替わり、ささやま医療センターと改称しました。

平成30年には、協定を更新し、補助金も増額となり、今日に至っています。

 

一つ一つ、検討を進め、市民の皆さんにお示しして解決をめざします。