「人の世に熱あれ、人間に光あれ」(市長日記R5.11.10)

更新日:2023年11月10日

令和5年11月10日

「人の世に熱あれ、人間に光あれ」

水平社宣言の最後の一文です。

水平社とは、被差別部落の人々が人間の尊厳を求めて立ち上がった運動で、今年は兵庫県水平社が創立100周年を迎えました。

水平社は太平洋戦争中に消滅しましたが、現在の部落解放同盟につながっています。

 

中学校の公民の教科書では、部落差別について次の通り記載されています。

「部落差別とは、教育を受ける権利や職業選択の自由や婚姻の自由などの人権が、被差別部落出身者に対して完全に保障されていないことをさし、同和問題ともいいます。1922年に全国水平社が創設されて以来、被差別部落の人々を中心に、差別からの解放を求める運動がねばり強く進められてきました。その結果、1965年、政府の同和対策審議会の答申は、部落差別が人間の尊厳にかかわる問題で、早急な解決が国の責務であり、国民の課題であると明記しました。この答申に基づいて制定された同和対策事業特別措置法などにより、対象地域の生活環境は改善されてきました。しかし今なお、就職や結婚などの差別や、インターネット上の差別的な表現もみられます。そこで、2016年、部落差別解消推進法が制定され、差別解消に向けた取り組みが強化されました。差別を許さない運動や、学校や社会で差別をなくす教育が進められ、多くの人が差別に立ち向かっています。」

 

長い間の取り組みにより、部落差別はかなりの部分、解消していると思います。もともと出生地がどこかなど、人間の価値や評価に何の関係もありません。被差別部落の出身者は、社会のあらゆるところで、正にリーダーとして活躍されることが多く、人として尊敬されています。

だから、日常の生活において部落差別を意識される方はほとんどないと思います。しかし、残念ながらごく一部とはいえ、いまだネット上の差別的な発言が見られるのです。

 

先日、兵庫県水平社創立100周年の記念集会がありましたが、すべての人が尊敬される差別のない社会を実現するため、未来に向けて部落解放運動を創造しなければならないとされました。

 

丹波篠山市では、市連協(部落解放同盟丹波篠山市支部連絡協議会)との間で、定期的に意見交換を行いながら、「住民学習」、「本人通知制度」、「人権条例」、「インターネットのモニタリング」などに取り組んでいます。

 

記念集会で講演された朝治武さんはなんと丹波篠山市のご出身で、現在大阪人権博物館(リバティおおさか)の館長をしておられます。こんな方が市の出身で誇らしいと思いました。八上城が明智光秀に滅ぼされたときの悲劇の姫、「朝治姫(あさじひめ)」とご縁があるのではと私は思います。

 

 

八上城のものがたりについて詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

 

 

兵庫県水平社創立100周年記念集会