朝治さんの人権講演(市長日記R6.3.21)

更新日:2024年03月21日

令和6年3月21日

部落史研究の第一人者である大阪人権博物館館長の朝治武さんを講師に迎え、「水平社宣言の魂と現在の部落差別」をテーマにご講演をいただきました。朝治さんは丹波篠山市の出身です。私はあの八上城の「あさじ姫」とゆかりがあるのではないかと思っています。

平日の夜の講演でしたが、100名を超える多くの参加があり、熱心に朝治さんの講演に耳を傾けられていました。

 

朝治さんは、

「高校は篠山鳳鳴高校に入って、先生から同和の奨学金の話をされて初めて自分が部落出身と知りました。全国の活動をみて自分も部落問題に取り組もうと思いました。高校の時、クラスメートの前で自分が部落出身だと話しましたが、クラスメートとの付き合いはそれまでと何も変わりませんでした。」

「50年前、私が高校生の時は、部落出身者とそうでない人との結婚する率が3パーセントであったのが、今は60パーセントを超えています。結婚、就職、教育などの分野で差別があったのが、今は多く解決しています。しかし今なお、ネット社会の中などで形を変えて残っています。」

「今から102年前に作られた全国水平社宣言は、全ての人が人間としての誇りを持つことを何よりも大切にしています。差別は人格を否定することであり、差別する人は自分の人格をも否定していることになります。」

と自身のこれまでの人生を振り返りながら、話されました。

 

大阪人権博物館(リバティおおさか)は、令和2年6月に休館を余儀なくされ、翌年9月に建物は解体されました。博物館に展示されていた沢山の人権資料は、現在大阪市立大学に移され保管されています。朝治館長は、貴重な人権資料を未来に継承するための新しい拠点づくりに奔走され、寄附も募っておられます。