市議会の質問から(1) クマ対策について(市長日記R7.12.16)

更新日:2025年12月16日

令和7年12月16日

先週ありました市議会の質問での議論のうち、いくつかを紹介します。

 

まず、今年の漢字にも選ばれた「熊」について、その対策を聞かれました。

今年のクマの出没は、東北地方では昨年の3.8倍になっていますが、兵庫県ではドングリが豊作だったため、約4割にとどまり、かなり減少しています。

丹波篠山市での目撃情報は、11月末現在で約18件ありますが、足跡や放任果樹などへの痕跡調査をしたところ、クマと疑われるものは2件にとどまります。

従って、特に心配するような状況ではありません。

 

兵庫県のこれまでの取り組みは、2007年に丹波市青垣町の森林動物研究センターを設立し、クマなどの保護と管理を進めており、先進的です。

1993年、兵庫県ではクマが残り60頭と、絶滅が時間の問題となりました。

生徒たちが当時の貝原知事に手紙を書き、出会われました。

生徒たちは貝原知事にたずねました。

「絶滅寸前の兵庫県野生ツキノワグマについて、

1案 野生で絶対に残さなければならない

2案 できたら残した方がいい

3案 どちらとも言えない

4案 できたら駆除したい

5案 すべて駆除したい

あなたはどれをお選びですか」と。

知事は即座に「1案に決まっているよ。野生で残さないと意味ないだろう」と答えられました。

1994年兵庫県での全国植樹祭の時、スギを植える植樹祭から26種類の広葉樹を植えることに変更されました。

さらに、当時の環境庁長官が「兵庫県のツキノワグマ、絶滅の恐れにつき狩猟禁止令を発令します」と発表されました。

その後20年以上にわたって狩猟が禁止されていましたが、生息数が増えたことから2016年に狩猟禁止が解除となり、保護と駆除の両立となっています。

 

2007年設立の森林動物研究センターは、丹波篠山市出身の故・河合雅雄さんが携わり、科学的な調査や研究に基づいて野生動物を管理する「ワイルドライフ・マネジメント」を導入しました。

先駆的だったのが、捕獲個体にマイクロチップを付けて追跡する調査です。

当時、県内のクマは絶滅危惧種に指定されていましたが、頭数に関する情報は乏しく、チップを付けて放獣し、再び罠にかかる割合などから個体数を推定しました。

 

兵庫県内に生息するツキノワグマは、但馬地域を流れる円山川を境にして、東が『近畿北部地域個体群西側』、西が『東中国地域個体群』に分かれます。

個体群ごとの推定は、2025年はじめの時点で、『近畿北部地域個体群西側』が688頭、『東中国地域個体群』が763頭(ともに中央値)です。

兵庫県は2017年に策定した「管理計画」で、それぞれの個体群で400頭以下を「絶滅のおそれ」とし、800頭以上を狩猟解禁の目安に定めました。

絶滅のリスクを回避しつつ、人との接触を極力抑えられる頭数に保つ、この難題解決の鍵は「どれだけ継続して推定個体数を追えているか」と、同センターの横山真弓研究部長は強調されます。

 

なお、万一に備えて、丹波篠山市でも「緊急銃猟」のマニュアルの策定に取り組んでいます。