○丹波篠山市景観条例
平成22年12月24日
条例第46号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 景観計画等(第6条―第9条)
第3章 行為の規制等(第10条―第18条)
第4章 景観重要建造物及び景観重要樹木(第19条―第23条)
第5章 景観農業振興地域整備計画(第24条)
第6章 景観地区(第25条)
第7章 景観協定及び支援等(第26条―第31条)
第8章 委任(第32条)
附則
丹波篠山は、誰もが心安らぐ「日本のふるさと」でありたい。
美しい暮らしが息づく「農の都」でありたい。
緑の山々、集落と田園と里山、城下町や宿場町や陶器町の町並み、そして祭り。
こうした丹波篠山の景観は、先人たちが長い歳月をかけて日々の営みとともに培ってきたものである。
私たちは、その知恵と誇りを受け取り、未来に向けて継承し、ともに創造していくことを確認し、ここに丹波篠山市景観条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、本市の良好な景観の形成に関する基本となる事項及び景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)の施行に関し必要な事項を定めるとともに、地域の特性に応じた良好な景観を保全し、育成し、及び創造することにより、ゆとりと潤いのある生活環境を創造し、及び市民の誇りと愛着の醸成を図り、もって魅力と活力のある地域社会の実現に寄与することを目的とする。
(1) 建築物 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいう。
(2) 建築等 法第16条第1項第1号に規定する建築等をいう。
(3) 建設等 法第16条第1項第2号に規定する建設等をいう。
(4) 開発行為 都市計画法(昭和43年法律第100号)第4条第12項に規定する開発行為をいう。
(市の責務)
第3条 市は、この条例の目的を達成するため、良好な景観の形成に関する総合的な施策を策定し、これを実施しなければならない。
2 市は、前項の規定による施策の策定及び実施に当たっては、市民及び事業者の意見が反映されるよう努めなければならない。
3 市は、公共施設の整備に当たっては、良好な景観の形成について、先導的役割を果たすよう努めなければならない。
4 市は、市民及び事業者が景観の形成に積極的な役割を果たすことができるよう景観に関する知識の普及及び意識の高揚を図らなければならない。
(市民の責務)
第4条 市民は、自らが景観の形成の主体として、良好な景観の形成に積極的な役割を果たすよう努めなければならない。
2 市民は、市が実施する良好な景観の形成に関する施策に協力しなければならない。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、自らの事業活動が良好な景観の形成に深い関わりを持つことを認識し、事業活動の実施に当たっては、良好な景観の形成に努めるとともに、市が実施する良好な景観の形成に関する施策に協力しなければならない。
第2章 景観計画等
(景観計画の策定)
第6条 市長は、法第8条第1項に規定する景観計画(以下「景観計画」という。)を定めるものとする。
(景観計画の策定等の手続)
第7条 市長は、前条の規定により景観計画を定めようとするときは、法第9条の規定によるほか、丹波篠山市土地利用基本条例(平成26年篠山市条例第14号)第9条第1項に規定する丹波篠山市まちづくり審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴くことができる。
2 前項の規定は、景観計画の変更について準用する。
(1) 国道、県道等の沿道の区域 沿道地区
(2) 地域の特性に応じた良好な景観の形成を促進する必要があると市長が認める区域 促進地区
(3) 伝統的な建造物又は集落が周辺の環境と一体をなしている区域 歴史地区
(4) 丹波篠山市緑豊かな里づくり条例(平成11年篠山市条例第182号)第6条第1項の規定により市長が認定した計画に係る区域 里づくり地区
(景観形成方針及び景観形成基準)
第9条 市長は、前条の規定により当該各号に定める地区を指定しようとするときは、当該地区に係る法第8条第3項に規定する良好な景観の形成に関する方針及び同条第2項第2号に規定する良好な景観の形成のための行為の制限に関する事項(以下「景観形成基準」という。)を定めるものとする。
第3章 行為の規制等
(届出を要する行為等)
第10条 法第16条第1項第4号の条例で定める行為は、次に掲げる行為とする。
(1) 土地の開墾、土石の採取、鉱物の掘採その他の土地の形質の変更
(2) 木竹の伐採
(3) 屋外における土石、廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物をいう。)、再生資源(資源の有効な利用の促進に関する法律(平成3年法律第48号)第2条第4項に規定する再生資源をいう。)その他の物件の堆積
第11条 沿道地区又は歴史地区内において、屋外への自動販売機の設置をしようとする者は、当該行為に着手する日の30日前までに、その内容を市長に届け出なければならない。
2 前項の規定による届出をした者は、当該届出に係る事項を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を市長に届け出なければならない。
4 市長は、前項後段の規定による通知があった場合において、良好な景観の形成のため必要があると認めるときは、その必要な限度において、当該国の機関又は地方公共団体に対し、当該行為についての景観形成基準に適合するようとるべき措置について協議を求めることができる。
(届出に添付する図書)
第12条 景観法施行規則(平成16年国土交通省令第100号)第1条第2項第4号の条例で定める図書は、完成予想図その他の規則で定める図書とする。
(適用除外行為)
第13条 法第16条第7項第11号の条例で定める行為は、次に掲げる行為とする。
(1) 次に掲げるものに指定された建築物若しくは工作物(建築物を除く。以下同じ。)の増築、改築若しくは移転、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更
ア 文化財保護法(昭和25年法律第214号)に規定する重要文化財又は重要有形民俗文化財
イ 兵庫県文化財保護条例(昭和39年兵庫県条例第58号)に規定する兵庫県指定重要有形文化財又は兵庫県指定重要有形民俗文化財
ウ 丹波篠山市文化財保護条例(平成11年篠山市条例第95号)に規定する丹波篠山市指定有形文化財又は丹波篠山市指定有形民俗文化財
(2) 丹波篠山市伝統的建造物群保存地区保存条例(平成15年篠山市条例第44号)第4条第1項の規定による許可を受け、又は同条例第6条の規定による協議若しくは同条例第7条の規定による通知をして行う行為
(3) 建築物で、高さが10メートル未満のもの、かつ、建築面積が300平方メートル未満のものの建築等(歴史地区及び里づくり地区内の建築等を除く。)
(4) 工作物で、高さが10メートル(当該工作物が、建築物と一体となって設置される場合にあっては、当該建築物の高さとの合計が10メートル)未満のもの、かつ、その敷地の用に供する土地の面積が300平方メートル未満のものの建設等(歴史地区及び里づくり地区内の建設等を除く。)
(5) 開発面積が500平方メートル未満の開発行為又は自己の住居の用に供する目的で行う開発行為
(6) 第10条各号に規定する行為で、当該行為に係る面積が500平方メートル未満のもの
(特定届出対象行為)
第14条 法第17条第1項の条例で定める行為は、法第16条第1項第1号及び第2号の届出を要する行為とする。
(公表)
第18条 市長は、次の各号のいずれかに該当する行為があったときは、規則で定めるところにより、その旨を公表することができる。
(2) 法第16条第3項又は第16条第2項の規定による勧告に従わなかったとき。
第4章 景観重要建造物及び景観重要樹木
(景観重要建造物の指定の手続等)
第19条 市長は、法第19条第1項の規定により景観重要建造物を指定しようとするとき、又は法第27条第2項の規定により景観重要建造物の指定の解除をしようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。
2 市長は、法第19条第1項の規定により景観重要建造物を指定したとき、又は法第27条第1項若しくは第2項の規定により景観重要建造物の指定の解除をしたときは、その旨を告示しなければならない。
3 法第21条第2項に規定する標識は、公衆の見やすい場所に設置しなければならない。
4 市長は、法第22条第1項の規定による許可をするに当たり、あらかじめ、審議会の意見を聴くことができる。
(景観重要建造物の管理の方法の基準)
第20条 法第25条第2項の規定による景観重要建造物の管理の方法の基準は、次のとおりとする。
(1) 消火器の設置その他の防災上の措置を講ずること。
(2) 景観重要建造物の滅失を防ぐため、構造及び建築設備の状況を定期的に点検すること。
(3) 前2号に掲げるもののほか、景観重要建造物の良好な景観の保全のために市長が必要と認める措置を講ずること。
(景観重要樹木の指定の手続等)
第21条 市長は、法第28条第1項の規定により景観重要樹木を指定しようとするとき、又は法第35条第2項の規定により景観重要樹木の指定の解除をしようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。
2 市長は、法第28条第1項の規定により景観重要樹木を指定したとき、又は法第35条第1項若しくは第2項の規定により景観重要樹木の指定の解除をしたときは、その旨を告示しなければならない。
3 法第30条第2項に規定する標識は、公衆の見やすい場所に設置しなければならない。
4 市長は、法第31条第1項の規定による許可をするに当たり、あらかじめ、審議会の意見を聴くことができる。
(景観重要樹木の管理の方法の基準)
第22条 法第33条第2項の規定による景観重要樹木の管理の方法の基準は、次のとおりとする。
(1) 景観重要樹木の良好な景観を保全するため、せん定その他の必要な管理を行うこと。
(2) 景観重要樹木の滅失又は枯死を防ぐため、病害虫の駆除その他の措置を講ずること。
(3) 前2号に掲げるもののほか、景観重要樹木の良好な景観の保全のために市長が必要と認める措置を講ずること。
(原状回復命令等の手続)
第23条 市長は、法第23条第1項又は法第32条第1項の規定により原状回復を命じ、又はこれに代わるべき必要な措置を命じようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴くことができる。
第5章 景観農業振興地域整備計画
第24条 市長は、法第55条第1項の規定により景観農業振興地域整備計画を定めようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。
2 前項の規定は、景観農業振興地域整備計画の変更について準用する。
第6章 景観地区
第25条 市長は、法第61条第1項の規定により景観地区を定めようとするとき、又は景観地区の指定の解除若しくは変更をしようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。
2 市長は、法第72条第1項の規定により景観地区内の工作物について、形態意匠等の制限を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。
3 市長は、法第73条第1項の規定により景観地区内の開発行為その他景観法施行令(平成16年政令第398号)第21条に規定する行為について、必要な規制を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。
第7章 景観協定及び支援等
(景観協定の認可等の手続)
第26条 市長は、法第81条第4項又は法第90条第1項の規定により景観協定の認可をしようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。
2 前項の規定は、法第84条第1項の規定による景観協定の変更及び法第88条第1項の規定による景観協定の廃止について準用する。
(景観整備機構の指定等の手続)
第27条 市長は、法第92条第1項の規定により景観整備機構を指定しようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。
2 前項の規定は、法第95条第3項の規定による景観整備機構の指定の取消しについて準用する。
(景観まちづくり活動団体の認定)
第28条 市長は、良好な景観の形成に関する自主的な活動を行う団体で、次の各号のいずれにも該当するものを景観まちづくり活動団体として認定することができる。
(1) 活動の内容が本市の良好な景観の形成に資するものであること。
(2) 法令等に違反する活動をしていないこと。
(3) 活動が専ら営利を目的としたものでないこと。
2 前項の規定による認定を受けようとする団体は、規則で定めるところにより、市長に申請しなければならない。
(景観まちづくり活動団体の認定の取消し)
第29条 市長は、景観まちづくり活動団体が前条第1項各号に掲げる要件に適合しなくなったと認めるとき、又は景観まちづくり活動団体として適当でなくなったと認めるときは、その認定を取り消すものとする。
(表彰)
第30条 市長は、本市における良好な景観の形成に寄与していると認められる建築物又は工作物等の所有者、設計者及び施工者を表彰することができる。
2 市長は、本市における良好な景観の形成に寄与していると認められる活動を行う個人又は団体等を表彰することができる。
(助成等)
第31条 市長は、沿道地区又は歴史地区等の地区内において、良好な景観の形成に寄与すると認められる行為を行う者に対し、予算の範囲内において、技術的援助を行い、又は当該行為に要する経費の一部を助成することができる。
2 市長は、本市における景観重要建造物又は景観重要樹木の保全等のために、その所有者又は管理者に対し、予算の範囲内において、技術的援助を行い、又はその保全等に要する経費の一部を助成することができる。
3 市長は、景観まちづくり活動団体に対し、予算の範囲内において、技術的援助を行い、又は当該団体の活動に要する経費の一部を助成することができる。
第8章 委任
第32条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
この条例は、平成23年4月1日から施行する。
附則(平成24年1月10日条例第1号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成26年6月27日条例第14号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成26年7月1日から施行する。
附則(令和2年9月25日条例第29号)抄
(施行期日)
1 この条例は、令和3年4月1日から施行する。