福住伝統的建造物群保存地区
瓦屋根の福住の町並み(福住)
特徴的な瓦屋根の福住の町並み(安口)
福住の町並みは、平成13年度に兵庫県による景観形成地区指定調査が行われ、町並みや周囲の自然環境などが良好に保存されていることが明らかになりました。平成16年から19年にかけて、住民参加による「まちづくり勉強会」「まち歩き」などを通して、福住の町並みに対する住民の理解が深まるとともに保存に対する意識も高まっていきました。平成19年度から福住地区伝統的建造物群保存対策調査委員会を設置し、福住地区伝統的建造物群保存対策調査を2カ年計画で実施しました。平成24年7月には「篠山市福住伝統的建造物群保存地区」市都市計画決定及び保存計画を策定し、同年12月、国により重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
丹波篠山市福住伝統的建造物群保存地区の概要は次のとおりです。
1 名称
丹波篠山市福住伝統的建造物群保存地区
2 所在地
丹波篠山市福住、川原、安口及び西野々の各一部
福住伝統的建造物群保存地区の範囲図 拡大画像 (PNG: 3.4MB)
3 面積
約25.2ヘクタール
4 保存地区の概要
丹波篠山市は、兵庫県東部の山間部に位置し、市域のほぼ中央の篠山盆地にかつての城下町があり、その一部が平成16年に重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。
当地方は、戦国期には八上城に居を構えた波多野氏領で、慶長14年(1609)に領主となった松平康重が八上城を廃して篠山に篠山城(下記リンク参照)と城下町を築いた。
保存地区は、篠山城下の東、篠山から京都に向かう西京街道沿いに位置し、福住、川原、安口、西野々の4集落からなる。このうち福住は、江戸時代に宿場町として整備された。一方、川原、安口、西野々は宿場町の外で、宿場の機能を補完する集落であったと考えられる。
保存地区は、東西約3,260メートル、南北約460メートル、面積約25.2ヘクタールである。東西に流れる籾井川南岸に西京街道が通り、街道に沿って西から福住、川原、安口、西野々の各集落が形成される。集落は、籾井川に直交する谷口に形成され、周辺に田園が展開し、谷奥の溜池から籾井川に水路を設けて灌漑施設としている。
福住では、宿場町のほぼ中央に本陣、西端に脇本陣が配され、西京街道に面して町並みが形成される。敷地は街道に沿って短冊形に配される。川原、安口、西野々でも、街道に沿って敷地が並ぶが、福住に比べて、間口に比して奥行きが浅い。宿場町では街道に面して主屋が建てられるが、他の部分では、街道と主屋の間に空地や庭を設けるものがある。主屋は、つし二階建、瓦葺、若しくは平屋建、茅葺(現在は鉄板葺)とし、妻入の建物が主体であるが、平入の建物もみられる。宿場町では瓦葺とするものが主で、他では瓦葺又は茅葺の建物が混在し、特徴ある町並みを形成している。敷地内には主屋の他に、離れ、納屋、土蔵が建ち、塀で敷地を囲み、門を構えるものもみられる。
丹波篠山市福住伝統的建造物群保存地区は宿場町として発展した町並みと、街道沿いに形成された特徴ある農村に、妻入を主体としたつし二階建瓦葺や平家建茅葺の伝統的建造物が、周囲の田園及び特徴ある灌漑施設等の環境と一体となって、宿場町とそれに隣接する農村集落の歴史的風致を良く伝え、我が国にとって価値が高い。
瓦屋根の福住の町並み(川原)
特徴的な屋根の福住の町並み(西野々)
5 選定基準
(三)伝統的建造物群及びその周囲の環境が地域的特色を顕著に示しているもの
【参考】
重要伝統的建造物群保存地区選定基準(昭和50年11月20日文部省告示第157号)
(一)伝統的建造物群が全体として意匠的に優秀なもの
(二)伝統的建造物群及び地割がよく旧態を保持しているもの
(三)伝統的建造物群及びその周囲の環境が地域的特色を顕著に示しているもの
白い壁と茶色い壁のコントラストの福住の町並み(安口)
福住の町並みと祭礼(水無月祭)
6 交通アクセス
自動車の場合
- 舞鶴若狭自動車道「丹南篠山口インターチェンジ」(出口を左折)から車で東へ約30分
- 国道173号線と国道372号線の交差点から東へすぐ
- 京都縦貫自動車道「亀岡インターチェンジ」から車で西へ約40分
電車の場合
- JR福知山線「篠山口駅」→神姫グリーンバス「篠山営業所」行き→終点下車→乗り換え→神姫グリーンバス「福住」行き→終点下車
- JR山陰本線「園部駅」→京都交通バス園部線(約30分)→「福住」下車
バスでのアクセスは便数が少ないため、車が便利です。
この記事に関するお問い合わせ先
社会教育・文化財課 文化財係
〒669-2397 兵庫県丹波篠山市北新町41(第2庁舎 3階)
電話番号:079-552-5792
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更新日:2021年10月15日