こども会議(市長日記H25.1.30)

更新日:2020年03月24日

平成25年1月30日(水曜日)

 市内の小学校の子どもたちの市政への質問や提案をしてもらう「こども会議」を開催しました。昨年3月に制定した「子育ていちばん条例」に「篠山市は社会の一員である、子どもたちの意見に耳を傾けます」としています。

 よく、地域のことを勉強しており、早速に取り組みたい提案ばかりでした。

良い会議となりました。なお、残りの小学校は来年の実施です。

 ただし、今田小学校は残念ながらインフルエンザのため出席できず、市職員が代読しました。

こども会議に出席された方の集合写真
先生が隣に座り、挨拶する小学生の写真
村雲未来づくりプロジェクトをスクリーンで写し、紹介する小学生と来賓の方が聞いている写真
マスクを着用した小学生が集まり、1人がマイクを持って挨拶する写真

主な質問・提案は次のとおりです。

1、福住小学校

 昨年12月に福住のまちなみが「伝統的建造物群保存地区」に選定されました。

 しかし、私たちはこのことを最近まで全く知りませんでした。これは一言、PR不足だと思います。どんどんPRし、たくさんの観光客を集めてはどうでしょうか。

 次は、福住に住む人を増やすことです。歴史と伝統のある福住の古民家に住んでもらい、古民家を仕事場としてもらったり、また、田んぼや畑仕事をしながら暮らしてもらえるような環境作りをすすめることを提案します。

回答

 福住地区は篠山市のいちばん東部ですが、京都に近く、京文化の影響を受けて、その気品もあります。

 大阪、神戸、そして京都にも1時間少しの距離です。

 これまでから「2030運動」(2030年に人口を倍増する)によって、活気づきつつあり、今回の選定により将来が期待されます。

制服を着た小学生が発表している写真
歴史と伝統のある福住の古民家の写真
白い衣装を着た男性が神輿を担いでいて、神輿の中に子供が座っている写真
古民家のイタリアンレストランと経営するご夫婦とガラス工房の写真

2、村雲小学校

 村雲小学校区には、山・川・田んぼなど豊かな自然がいっぱいです。家の人に聞くと昔から受けついできたすばらしいものがたくさんあると聞きました。

 昨年度から2年間、全校生でふるさと学習を進めています。

 今年は、「ふるさと大好き!」をテーマに、里山・田んぼ・川の3つの縦割り班を作って、全校生でふるさと学習を進めています。

 里山グループでは、いろいろな里山での遊びやカブトムシの幼虫の飼育などに取り組み、田んぼグループでは、全校生で田植えや稲刈り体験をしたり、川グループでは、学校前の川の生き物調べをしたり、児童玄関にミニ水族館をつくったりして飼育活動をしています。

 私たち6年生は、総合的な学習の時間を中心に「村雲未来づくりプロジェクト」を進めています。その中で、校区にある岩井山古墳を調べています。岩井山古墳の各古墳につけられていた説明看板を自分たちで作り直したり、世界中の人に岩井山古墳のよさを知ってもらうためのホームページ作りやリーフレット作りをしています。

 篠山市では、ふるさとの豊かな自然と歴史が大切にされるように、どのようなことをこれからしようと考えておられますか。

回答

 平成8年には、村雲小学校の皆さんは「救えオヤニラミのふるさと」と銘うって、稀少種の魚「オヤニラミ」をふ化させて川に放流し、さらにオヤニラミも住める河川改修の方法を県知事にあて提言されました。

 篠山市では現在「森の学校復活大作戦」として、山、川、田んぼなど身のまわりの自然環境の保全や再生をめざし、例えばコンクリートで固めない川づくりをすすめます。また、文化の薫るまちとして多くの文化資産を大切にしています。

村雲小学校の生徒が2人で挨拶する写真
全校で里山遊び、田植え、魚とりを楽しむ小学生の写真
村雲未来づくりプロジェクトにて、生徒が懐中電灯を持ち岩井山古墳を観察している写真
川や下水のコンクリート三面張りとみどりいっぱいの山の写真

 コンクリート三面張りの解消を

手の入らない人工林の間伐の写真

 手の入らない人工林の間伐、混交林化

大自然に水を張り、メダカやカエルがいて子供達が生物を手に取る写真

 水を張れば生き物が

3、篠山養護学校

 私は車いすに乗っています。スーパーへ買い物に行くときや病院に行くときなど、段差があったりトイレが狭かったりして困ることがあります。もっと車いすで過ごしやすい町になるとうれしいです。

回答

 篠山市もその「福祉のまちづくり条例」や篠山市が策定した「篠山市保健福祉総合計画」に基づいて、障がいのある方やお年寄りの方、病気の方々が安心して暮らせるようにまちづくりをしています。スーパーや病院、学校、市役所など多くの人々が利用される建物を建設するときは、必ずスロープや手すりを取り付けていかなければなりません。これまでに、市民センターや図書館、兵庫医科大学のささやま医療センター、スーパー等「福祉のまちづくり条例」に基づいて建設された建物がたくさんあります。

 一昨年のこども議会において、大正ロマン館のスロープの不便さについて質問がありましたが、その後、不便さを解消する改修も行いました。

先生が車いすの小学生にマイクを向けている写真
雨の降る中、車いすマラソンスタートの写真

 全国車いすマラソン大会

大正ロマン館の車いす用スロープの写真

 大正ロマン館の車いす用スロープ

道路と視覚障害者誘導用ブロックの写真

 段差の解消

4、篠山小学校

 篠山小学校は、お堀に囲まれた小学校です。昔このお堀にはハスの花がいっぱい咲いていたと聞きました。でも、今のお堀にはその姿は見られません。

そこで、6年良組は地域の商工会の方々の支援を受けて、3年生の時から学校でハスの花を育て始めました。ペットボトルに1粒ずつ種を入れて発芽させ、小さなハスの葉が出た頃にバケツに移し替えました。その後、学校の小さな池に植え替えました。そのハスの花が、私たちが5年生の時に初めて1、2輪咲き始め、今年はハスの花で池がいっぱいになりました。

 将来的にハスの花をもう一度お堀に咲かせたいという思いは、篠山市としてありますか。

回答

 早速に職員の専門チームをつくり、篠山小学校の皆さんとともに、お堀にハスが復活するよう取り組みましょう。

 平成18年にハスがなくなってしまいましたが、原因は不明です。ヌートリア、ミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)、水質の悪化などいろんな説がありますが、有力なのはミシシッピアカミミガメです。これはお祭りの屋台などで売られている外来種のカメです。

 さらにボートを浮かべられたらと楽しみにしています。

篠山小学校の生徒2人が発表している写真
篠山小学校に昔、ハスの花がいっぱい咲いていた時の写真
ハスの花のアップ写真
昔、お堀でボートを楽しむ観光客のモノクロ写真

 ボート復活をめざそう

城跡内の篠山小学校の外観写真

 城跡内の篠山小学校

城北小学校

 城北小学校の5・6年生は、150年以上の伝統をもつ篠山特有の「お苗菊」を育てています。名人の長谷川先生に来て頂き、今年も19種のお苗菊を育て、きれいに花が咲きました。

 このお苗菊作りを通して感じたことは、お苗菊は篠山特有の菊なのに、篠山に住んでいる人にさえ、あまり知られていないということです。

 お苗菊は篠山藩主 青山 忠良が江戸時代に幕府から頂いた歴史ある菊です。

 もっと篠山の人に広く知ってもらったり、たくさんの人や学校で育てたりできないでしょうか。

回答

 お苗菊作りの名人 長谷川 武司先生(90歳)は、私の城南小学校での恩師で、今もご活躍され、嬉しい限りです。

 お苗菊は篠山藩だけに認められ、伝えられてきたもので、満開になったあと、その花が花びらの裏を見せて巻き上がるものです。

 3年前から「お苗菊愛育講座」をはじめられ、比較的若い女性が多く作られるようになってきています。

 これからさらに、市役所、大書院、市民センター、病院などで展示したり、広報を通してPRしていきます。

城北小学校の男子生徒2人が発表している写真
お苗菊作りの名人 長谷川武司先生が表彰状を持ち、その後ろにお苗菊の写真

 お苗菊の名人、長谷川 武司先生

左にお苗菊、右に普通の聞くの写真
城北小学校の生徒が鉢にお苗菊を育てている写真

西紀小学校

 今年度は、「いじめ問題」が大きくとりあげられた1年でした。もうすぐ中学校への進学を迎える私たちも、ニュースで聞くたびに、けして人ごととは思えず、自分たちの身にも起こり得ることとして受け止めました。「いじめは許してはならない!」と同時に「いじめがおこったとしてもしっかり対応してほしい!」そう強く感じました。そこで篠山市独自の「いじめ防止条例の制定」を提案させていただきます。

 まず、私たち自身にできること、それはいじめを許さない仲間づくりです。また、多くの人の協力と連携がとれることこそが重要になってきます。

 小野市のような「いじめ防止条例」が制定されれば、何かがあったときに、しっかり対応できるしくみが整っていくこととなります。

回答

 篠山市では昨年12月に「人権尊重のあたたかいまちづくり条例」を制定しましたが、いじめ防止条例についても検討していきます。

 また、日常から仲間づくり、あいさつ、地域との連携などを大切にして下さい。

西紀小学校の女子生徒2人が発表している写真
いじめ防止条例の制定をのポスター
「私たちができること」のポスター
「いじめの対策にむけて」のポスター

城南小学校

 「子どもおすすめ篠山観光スポットマップ作り」と「宝探しイベント」をすることを提案します。

 各小学校から、おすすめスポットを選んでもらいます。でも、マップだけでは、見て終わりになってしまうかもしれないので、「宝探しイベント」をしたいのです。

 宝は、パズルのピースにします。すべてのスポットを回ると、パズルのピースがはまって一つの絵になります。集めたピースの数によって、景品をもらえるようにすると、観光客にたくさんのスポットを回ってもらえるのではないでしょうか。

 一ヶ所しか回れなかった方にも、1ピースを10円の割引券として商店街で使っていただけるようにしたら、商店街にも足を運んでもらえるのではないのでしょうか。

回答

 大変良い提案で、ぜひ取り組みたい。

 特に、パズルのピースにすることは大人では思いつきません。

 そのためにも、まず篠山市全体のマップを作れるよう、各学校に声をかけていきます。

 今、篠山市には年間180万人もの観光客がお越しになり、農都、きれいな城下町と農村景観、自然や文化の素朴な姿も高く評価されています。

城南小学校の男女生徒2人が発表している写真
「宝探しイベント」を提案して発表している写真
城南ふるさとマップ
パズルのピースの写真
パズル完成時のイラスト
1ピースのパズルが10円割引と書かれた写真

畑小学校

 畑小学校は、今年3月で、139年の歴史に幕を下ろします。

 4月からは、城北畑小学校の一員として、新しい生活をスタートさせます。たくさんの友だちと一緒に勉強できることが、とても楽しみです。

 でも、ひとつだけ気になることがあります。

 それは、今の畑小学校の校舎がどうなるのか?ということです。

 市内で唯一の、天体ドームがある校舎、広々としてきれいな校舎は、みたけっ子の誇りでもありました。

 私たちは、例えば「お年寄りの方たちが利用する施設として活用してはどうだろう?」「地域の子どもたちが、自由に使えるようにしてほしい」「天体ドームを利用した、星空観測会を開く」といったアイデアや、「大阪や他の県から来た人が宿泊できるようにして、登山や観光に利用してもらっては?」というアイデアを考えました。

 私たちは、畑小学校の校舎が、地域やまちのみなさんのふれあいの場になってほしいと願っています。

 今後の利用方法について、ぜひ、私たちの願いも込めた利用方法を検討していただければと思います。

回答

 畑地区では、昨年7月から8月にかけて、校舎の利用方法についてアンケート調査をされました。その結果では、福祉施設というのが一番多く32%、次に交流施設というのが27%でした。

 畑小学校の児童の皆さんからのアイデアはたいへん夢があって、楽しそうなものばかりです。これらのアイデアは地域で考えてもらっている人たちにも伝え、ぜひ生かしていきます。

城北畑小学校の女子生徒2人が発表している写真
グランドから見た、城北畑小学校外観写真
生徒が黒い下敷を持って、天体ドームで星空観測会をしている写真

 畑小学校の天体ドーム

生徒と男性が登山中に綺麗なクリンソウを見ている写真

 クリンソウ 

大山小学校

 「まるいの」にガールフレンドを作ってみてはどうでしょうか?

 そしてもっともっと地域の行事に参加して、まずはそのキャラクターをアピールする!

 それから、市外や県外にも出かけて、キャラクターを生かして篠山市をアピールできるのではないでしょうか。

 かわいいキャラクターができて、大山や篠山がもっともっと有名になったら嬉しいです。

 車のナンバーに起用したり、キャラクターを使ったお菓子やアメにもできるかなと思います。

 篠山のイベントで、キャラクターに会えたら嬉しいです。

回答

 まるいのに聞いてみましょう!

 だいぶ有名になってきたし、彼女のことを考えていきましょう。募集しますので、みんなで考えてみて下さい。

 昨年、まるいのに手足、胴体をつけ、今年は1月はお正月、4月はお花見といったように、その月に応じたまるいのの衣装を作ったり、市内のいろんな施設にまるいののパネルを置きます。

大山小学校の男女生徒2人が発表している写真
かわいいキャラクターが映されたスクリーンを見ながら、発表している写真
イメージキャラクターが紹介されている写真
「新しいマスコットキャラクターを考えてみよう」のキャラクターのイラスト
イメージキャラクターの着せ替えイラスト

今田小学校

 今田小学校では、これまで、サギソウやカスミサンショウウオやメダカなどの希少生物の保護活動を行ってきました。

 ところが、近年、今田地区でも急激にそれら希少生物が数を減らしています。理由は、環境破壊による生息場所の減少や乱獲等いろいろありますが、原因の一つに外来生物による被害も考えられます。これらの生き物は、みんなもともと日本に生息していたのではなくて、人間の手によって外国からやってきた生き物たちです。

 私たち今田小学校6年生では、日本古来の希少動物を保護するため、外来生物の放流禁止を呼びかける必要があると考え、PR活動を行ってきました。そこで質問ですが、篠山市としてのお考えや、外来生物に関するこれまでの取り組みや、今後の方針等何かありましたら教えて下さい。

回答

 ブラックバス、ブルーギル、ミドリガメ、アライグマ、ヌートリアなど、多くの外来生物がいますが、生態系を壊しますので、駆除をしています。

 しかし、考えてみると、これらも同じ生き物の命です。かわいそうにも思いますが、全体のことを考えると仕方ありません。

 悪いのは誰ですか?

 私たち人間です。みんな人間の持ち込んだものです。

 ブラックバスは釣りの対象とするため、アライグマはペット、ヌートリアは毛皮にするためです。

 だから、安易な持ちこみをしないように、みんなで呼びかけましょう。

 なお、今田小学校の取り組みの一つのカスミサンショウウオです。

10センチくらいで幼生は水中で暮らし、成体になると陸土で過ごします。

しかし、コンクリートU字溝では生きられず、落ちたら上がれないのです。

外来生物ブラックバスの写真

 外来生物ブラックバス

外来生物 アライグマの写真

 外来生物 アライグマ

外来生物 ヌートリアの写真

 外来生物 ヌートリア

外来生物を逃がさないで、放流禁止のプラカード4枚を持った小学生の写真
左カスミサンショウウオの卵魂、右カスミサンショウウオの正体の写真
カスミサンショウウオの産卵場所の写真

 カスミサンショウウオの産卵場所

左コンクリートで固められた水路、右U字溝の写真

 生き物が住めず、また、落ちたら上がれない死のコンクリート溝

コンクリート溝に落ちて上がれないカエルの写真

 カエルも上がれない

左は自然護岸と石積みによる水路、右に木杭による水路の写真