9月議会(市長日記H25.9.19)

更新日:2020年03月24日

 9月11日、12日の二日間、市議会の一般質問がありました。

 主な内容は次のとおりです。

1、吉田 浩明 議員 青藍会代表質問

 豊かな農産物を育む自然環境に恵まれた篠山には、先人達の英知と努力によって育てられてきた特産物として、丹波黒大豆・山の芋・丹波栗・丹波篠山コシヒカリなどが豊富に存在し、大変魅力のある農業基盤があります。

 このことは市民の食料の安定供給や自然景観の維持、人々の心の絆やコミュニティーの形成、さらには地域経済の発展にも大きく貢献していると言えます。

 また、農産物が持つ歴史や伝統文化の保持、並びに自然教育の場の提供と言ったことを踏まえると農業の公益性は農村地域に住む人々だけのものではなく篠山市民全てが享受し大切に守り育てていかなければならないと考えるものです。

 しかし、今日、農業を取り巻く状況は厳しく、また、大変危惧をいたしていますTPP交渉参加が表明され、いかなる状況になろうとも、地域独自の展開を図りながら元気で活力ある農業・農村を構築していかなければなりません。

 そこで、私たち青藍会では本市において、農業・農村の振興に関して基本となる条例が必要であると考え、「農都篠山」の実現をめざし、基本条例の制定を提案するものです。

答弁

 日本一の特産を生み出す風土を有するわが篠山市でも、条例により農都であることをうたい、施策の基本方針を定めることは、重要と考えますので、基本条例制定に向けた検討をしていきたいと考えます。

2、隅田 雅春 議員

 篠山認定こども園の保育料をどのように設定されるお考えなのか、お聞かせください。

教育長答弁

 ささやま保育園が昭和49年に設立され、当初から私立保育所として認可を受けて運営されています。ただ、現行の保育所制度においては、公立保育所についても私立保育所についても保育料額は市内統一で定めています。

 しかし、ささやま保育園が平成26年度に認定こども園へ移行された場合につきましては、私立認定こども園が保育料を設定することになります。

 また、市内には公立の味間認定こども園があり、今後、篠山市全体の幼保一体化を推進していくためにも、公立と私立の保育料に差が生じることは検討課題になると考えています。そのため、市内の保護者間で不公平感が生じないような施策について検討していきます。

3、森本 富夫 議員

 篠山市内には、自ら森林の経営を行うことを目的とした生産森林組合が多く存在しています。時代の変遷とともに、林業の不振、組合員の高齢化等々の理由で活動を休止しており、収益は発生していない状況であります。

 しかしながら、法人県・市民税は収益状況に関係なく均等部分等が課税されており、大きな負担となっております。

 法人県・市民税の減免を考慮すべきと考えます。

答弁

 篠山市では、すでに法人市民税の支援として、年額2万7,000円の補助を行っています。

生産森林組合の法人税均等割の減免について調査を行ったところ、県内では佐用町、島根県では隠岐の島町などが独自に規則などを定め、「伐採収入等が皆無の期間」については、減免対象にしているなどの事例があります。そこで、お話しの減免につきましては、現在行っております補助制度との兼ね合いを含めて検討を行います。

4、栗山 泰三 議員

 福知山市の花火大会で爆発事故があり、大惨事の場となった。

 篠山市でのデカンショ祭等でのイベントにおいては、ガソリン等の危険物の取扱いについて、また、ガソリン発電機の使用についても、厳しい規則を課した契約書を交わすべきではないか。

答弁

 本市においても毎年多くのイベントを実施し、それぞれに大変たくさんのお客様にお越しいただいており、十分な安全配慮が必要であることを、改めて強く思い知ったところです。

 今後は、出店者の募集時に、火気類使用時の消火器設置、ガソリンの貯蔵や取扱い、ガス器具の点検やプロパンガスの転倒防止などの条件を付すほか、消防本部やプロパンガス協会など関係機関と連携して適切な指導や点検等の対策を行い、各イベントにおいて一層の安全確保に努めたく考えます。

5、渡辺 拓道 議員

 今年の5月21日、日本ユネスコ国内委員会の記憶遺産選考委員会は、国宝の「東寺百号文書」を登録候補として推薦することを決めました。

 東寺百号文書は、京都の世界遺産・東寺に伝来した、奈良時代から江戸時代まで1000年以上にわたる約2万5000通の文書です。

 東寺百号文書が歴史資料として高く評価されているのは、東寺が所有していた全国の荘園に関わるものが多く、中世の文化・生活を知る上で第一級の資料であり日本の荘園史の基礎であるからであります。

 特に、東寺の荘園の中でも早期に設立した丹波国大山荘に関する文書は約600点もあります。

 平成27年(2015年)5月頃に開催予定の第12回ユネスコ記憶遺産国際諮問委員会(IAC)にて登録されることは確実視され、登録がなされると百号文書はもとより中世史や大山荘への関心が高まると考えます。登録を見越して「学びの環境」を整えておく必要があるのではないでしょうか。

 具体的には、次の点を提案させていただきます。

  • 図書館等における東寺百号文書や中世史さらには大山荘に関する図書資料の公開に向けた整備
  • 公民館等における文書や大山荘を学ぶことのできる記念企画
  • 学びの探訪ルートの検討と案内パンフレット等の準備

答弁

 この度のユネスコ推薦のニュースは大変喜ばしいことだと考えています。

 大山に関して、東寺百号文書や教王護国寺文書に代表される数多くの文献史料が現在まで残っています。そこには、単に大山の歴史を明らかにするだけではなく、日本の古代から中世にかけて、700年間にわたる荘園をめぐる農民、東寺、地頭のその時代の様相を鮮やかに写しだし、当時の歩みが凝縮されていることがわかります。

 中央図書館では、現在、東寺百号文書や中世荘園、大山荘などに関する資料を複本も含め約50点所蔵し、今後、関係資料の収集については鋭意進め、記念企画については、「ささやま市民文化講座」など、取り組みを検討します。

 「学びの環境」に向けて、整備を図っていきます。

6、園田 依子 議員

 2013年7月、日本を訪れた外国人旅行者数が推計で100万人を超えたと報道がありました。篠山市には、外国人観光客に対しての配慮がないのが現状です。

 案内板やガイドブックを設置してはと考えます。

答弁

 篠山市における外国人観光客の受け入れ環境については、総合観光パンフレット「あえてよかった」が英語、中国語、韓国語の3カ国語版で、城下町散策マップと登山案内が英語版で、案内板については、JR篠山口駅と城下町の主要な交差点に英語表示のある案内板を設置しています。もちろんこれで十分であるとは考えていませんが、最近の訪日外国人観光客数の増加などからも、今後は篠山市においても外国人に向けた情報発信や受け入れ環境の整備が必要であると考えます。篠山には世界に誇る食材やすばらしい景観、歴史伝統文化などの観光素材がたくさんありますので、専門家などを含んで、今後の進め方の検討を行い、外国人観光客誘致に向けた取り組みにも力を入れていきたいと考えます。

7、奥土居 帥心 議員

 伝統食創造補助金なるものを創設して、新規に市内で開業する飲食店・改装するお店に対して、店構えを、人・自然・文化織りなす食と農の都を感じさせるデザインにしてもらい、1件あたり200万~500万円程度の補助金を創設してはいかがでしょうか。

 このように飲食店に力を入れる必要性を感じたのも、今回、人口が社会増となった原因が食ではないかと推察されるからです。最近、篠山には多くの飲食店が開店し、休日には行列をなしているお店が多くあり、私もいろいろ食べにいきますが、おいしいと感じることがとても多いです。そして、その味に篠山の人・自然・文化織りなす食と農の都を感じ、また、行ってみたら地理的に意外と近いと知り、移り住む人が出てきたのではないかと思います。

答弁

 篠山市には企業支援助成金の制度があります。これは新たに起業する方々を支援して、空き家や空き店舗などの解消、働く場の創出といった“にぎわい”を生み出し、さらには「定住の促進」を目的に実施しているものです。

 ご提案の「伝統食創造補助金」も、起業支援制度とその方向性に共通点もあると考えます。伝統食とは言いましても、昔から受け継がれてきた料理だけでなく篠山の産品を使った創作的な料理なども含めた視点を持つ中で、この制度と合わせて今後検討していきたいと考えます。

8、植村 満 議員

 「篠山市住民票の写し等本人通知制度に関する条例」に基づく事前登録の推進にむけて。

 8月31日現在の事前登録者数、事前登録の推進に向け具体的にどのようにして市民にPRしてきたのか明らかにしていただきたい。

 篠山市のホームページに常にアップし、市民が関心を持つようにするべきと考える。

答弁

 本人通知制度は、住民票の写しや戸籍謄本などの証明書を交付したときに、その交付した事実を事前登録されている方に郵便でお知らせする制度であり、平成25年4月から実施しています。

 8月末日の本人通知制度事前登録者数ですが、87名の方が登録をされています。

 制度開始時には市の広報でお知らせをし、また、部落解放同盟篠山市支部連絡協議会の代表者の方に対し、制度の説明に出向き、事前登録申請書や概要パンフレットの交付を行いました。また、市のホームページでは平成25年3月から常時、条例や制度の概要等の情報を掲載しており、事前登録申請書のダウンロードができるようにもなっていますが、さらに掲載方法を検討します。

9、前田 えり子 議員

 「広報ささやま」の配布について。

 市の広報誌は、そのほとんどが自治会を通して配布されているが、自治会のないところや自治会未加入者には、届いていない現状がある。支所に配備されているが取りに行けない市民もあるかと思う。

答弁

 毎月、市の広報を17,200部発行し、うち16,100部を基本的に毎月21日に各自治会長宅等へ一括して市広報を配達し、自治会等によって、各戸へ配布いただいています。

 そのほか各支所及び市民センターなど公共施設でも市広報等を受け取っていただけるようにしています。特に最近では、市民センター、中央図書館、今田まちづくりセンターにおいて、休日で支所での受け取りができない場合にも対応できるようにしています。

 自治会に加入できないこと、さらに、支所などにも取りに行けないことに合理的理由があれば、ほかの配布方法も考えます。

10、堀毛 隆宏 議員

 現在、全国自治体において、9つの地域が、読書条例制定及び読書のまち宣言をしている。

 子どもの読書活動は、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で不可欠であることを鑑み、全ての子どもが、あらゆる機会と場所で自主的に読書活動ができるよう、積極的にそのための環境整備が推進されなければならない。

 「読書のまち宣言」で読書活動を大いに推進していくべきと考えます。

教育長答弁

 本市の状況を考えましたとき、読書活動の中枢的な役割を担っております中央図書館が、昨年度には開館10年という節目の年を迎え、来館者も150万人を突破いたしました。さらに、市民の参加と協働のもと、新しい図書館づくりを進めていきたいとの思いから「図書館ビジョン」も策定いたしました。

 そういった中、「読書のまち宣言」がさらに追い風となり、図書館事業や、子どもの読書活動推進、さらには、学校での朝読、家庭での家読(うちどく)の取り組みをさらに高めるものであれば、前向きに考えたいと思います。

 近年、心の豊かさが失われるような事件が発生し、日本人が育んできた心の豊かさを守り、育て、広げ、次の世代に伝えていくにも、読書の重要性は認識しているところであり、篠山市の教育においても非常に重要な部分であると思います。

11、小畠 政行 議員

 今回の創造都市推進計画については、市民の方への周知や理解、そして市民自らの盛り上がりが必要と考えますが、それに向けた対応についてお伺いします。

答弁

 篠山市は城下町や宿場町、農村集落、窯業集落、そして森林や里山、農地などで構成されており、美しい田園風景のなかに、黒豆をはじめとする特産品が生産されています。また、波々伯部神社の祇園祭や小野原住吉神社の鮭おどりなど、多様な歴史文化が守り伝えられてきており、私たちの大きな誇りとなっています。

 こうした、篠山の資産と住民の力を生かしながら、暮らしに結びついた産業を育み、篠山市を元気にしていこうというのが、今回策定しようとする創造都市推進計画の考え方です。

 神戸大学篠山フィールドステーションでは主催講座のテーマに取り上げていただいています。丹波焼の窯元グループでは、「食と器」をテーマとしたイベント開催を企画いただいています。

 ささやま景観写真コンクールや篠山市展、篠山ビデオ大賞では、新たに創造農村賞を設けました。また、第36回丹波焼陶器まつりは、「食とうつわの新たな出会い」をテーマに開催されることになっています。

 課題もありますが、創造農村の取り組みは、市民に少しずつ理解され、ひろがりつつあるように感じています。

 創造農村とは、「そうぞうしい農村」、つまりは、「明るい農村」のことだと、今後、わかりやすく説明します。