朝日新聞「全国版」に(市長日記H26.3.5)

更新日:2020年03月24日

 再生に取り組む篠山市のことが、2月28日付朝日新聞の全国版に掲載されました。

 市町村合併の「副作用」に苦しむ自治体が4月以降急増することとなり、篠山市はその先頭を走っているとのことからです。

 国は「平成の大合併」推進のため、合併から10年間、旧市町が受け取っていた交付税の合計額を維持する「特例」を設けたが、11年目以降は5年かけて減額されることとなります。

この特例が切れ始めた自治体が平成25年度までに8、同26年度から24、同27年度は215、同28年度は337と急増するとのことです。

 これに合併の「アメ」として、国が制度化した借金が追い打ちをかけ、一方、合併による行政の効率化はなかなか進まないため、全国どこの自治体もつぶれかねない。

などと問題提起されています。

そして、このあと篠山市のことが登場します。

次のような記事となっています。

 こんな自治体の不安を具現化したのが、兵庫県の丹波高地に囲まれた篠山市だ。全国の自治体職員から二つの意味で「篠山詣で」と言われ、視察が押し寄せた。かつては成功例として、今は挫折からの再生例としてだ。酒井 隆明市長は「合併ですべてが良くなるなんてうそばかり。国は夢を与えすぎた」と語る。

 同市は99年4月、平成の大合併では初の4町合併を実現。将来の人口増を見込み、合併特例債で144億円を借金し、輸入れんが造りの図書館や温水プール付き運動公園など「ハコモノ」を次々に建てた。当時は「バラ色の合併」として視察が相次いだ。

 ところが、人口はピークの4万8千人から減る一方で交付税の特例もまもなく切れる。03年度には、市の借金は年間予算の2倍強にあたる1136億円に。職員を700人から450人にまで減らし、給与も10%をカット。五つある支所も窓口業務のみにし、常駐の正職員が1人というところもある。どん底から立ち直ろうとするノウハウを知りたいとの視察が絶えない。

2014年2月28日朝日新聞掲載 『「合併促進剤」の副作用』より一部抜粋

 私が1時間話したことが、わずか3行になってしまっています。

 私とすれば、「4町が一体化したまちづくりができるようになったし、行政もスリム化し、合併の意義はあった。しかし周辺地域は決して良くなっていないので、配慮が必要。厳しい財政に陥ったが、篠山再生計画により着実に健全化を図っています。市民の理解のおかげです。」と話したのですが…

 昨年、合併市のうち、241市が連絡協議会を設立し、交付税の特例存続を求め、これに自民党国会議員が議員連盟をつくり、総務省に働きかけたとのこと。

 そのため、合併後10年以降に削減される交付税の金額が当初予定の2分の1に緩和される見通しとなっているようです。

 これについては、やや複雑なものがあります。

 それはすでに篠山市は、平成22年度から、この交付税の削減にずっと耐えてきているからです。

 今になって緩和されるのは、少し話がおかしいという気もしますが、結果的に篠山市にとってもプラスになる(削減額が緩和される)のであれば、嬉しいことです。

 国の交付税会計そのものが厳しいため、決して安心まではできないとも思います。

 合併の目的はあくまで行財政改革のためと言われます。

 しかし、これ以上の広範囲となる合併は、周辺地に目が届かず、住民の声が届かなくなり、市民本位の自治そのものが成り立たなくなり、賛成ではありません。