アナ雪の件、反省します(市長日記H26.8.22)

更新日:2020年03月24日

一.「アナと雪の女王」上映中止にともない、入場料を支払った方への対応について、「ビデオをお渡しするのは丁寧すぎるのではないか」、また、「例えば、歌手の八代亜紀(8月30日(土曜日)、田園交響ホールで公演予定)が来れなくなった時も、同じように対応するのか」などと、市議会での報告のなかで、質問がありました。

これについて、

(1)上映や公演を出来なくなったことについて、篠山市として、何の責任も無いと胸を張れる場合はお金をお返しするだけで足りると考えます。歌手が来れなくなった時などは、その例です。

しかし、篠山市に何らかの責任がある場合には、お金を返すだけでは済まず、「映画を見られる」ことを何らかの形で補償しなければならないと考えます。

今回の場合は、ディズニージャパン社の著作権についての対応が厳しくなったこともありますが、根本的には、有料でホールなどで上映すること自体が違法と言われても仕方がないことにあります。

調べてみると、著作権法では、聴衆または観衆から一切の対価を受けない場合にのみ、例外的に上映を認めています。

このことについて、田園交響ホールの担当者は、たとえ契約先の姫路新映配から「協力金として徴収するのは可能」と説明を受けたとしても、市職員はその道の専門家とみなされますので、知らなかった、ではすみません。

しかも、姫路新映配からは、7月末頃に田園交響ホールのホームページなどの広報からこの映画の上映の部分を削除するように指摘があり、職員はそれに従っているのですから、何かおかしいと感じているので、残念ながら篠山市には責任があると認めざるを得ません。

(2)次に、では、どのように「アナと雪の女王」を見られるように補償するかです。

初めに考えたのが、映画館に出張で来てもらうことですが、福知山シネマも三田イオンシネマも無理でした。

次に、ビデオのレンタルです。しかし図書館で貸し出すことはこれも著作権法上違法となりますし、例えば市内のツタヤのレンタル券をお渡しすることも検討しましたが、多くの方が一度に集中するなどすると、これも観られないこととなってしまいます。

そこで、市販のビデオ(DVDまたはブルーレイ)をお渡しして観てもらうしかないと判断し、ただし一家族に一枚としました。

プレゼントするのではなく、あくまで観てもらうためにお渡しするのですが、返してもらうこととすると、手続きばかりややこしくなりますので、結果的に進呈することとなります。

受領している500円は、本来、違法と言われかねないお金ですので、お返ししなければいけませんし、又、当日、時間をあけて楽しみにしている子ども達や、連絡がつかず、来られる方もあるかもしれませんので、「怪盗グル―のミニオン危機一発」という映画を念のため上映します。

以上はあと上映予定日まで5日しかないという極めて限られた時間のなかで、きちんとした対応策と考えています。

(3)では、この補償に要する費用、およそ総額80万円位と見込んでいますが、これをどうするかです。

これについては、これをすべて公費でみて良いのかという議論がありますので、契約先との交渉などを含め、検討致します。

ただ残念ながら、契約先の方は車に乗れず、病院の予定があるなど、これだけの問題が起こっているのだからすぐに来てほしいと言っても、なかなかなので困っています。

二.今回の件については、これを今後の田園交響ホールのみならず、市職員の仕事に生かしてほしいと願っています。

(1)先ず、契約先や契約の内容について、疑問に思うこと、おかしいことがあれば、必ず解決しなければいけないということです。

 市職員は、何事にもプロと見なされます。

 著作権のことなど、知らなかったでは、市民への言い訳になりません。

 判らなければ、きちんと調べる、

 おかしいこと、怪しいことは絶対にしない、

 市民にきちんと胸を張れるようにしておく、ということです。

 篠山市行政や市職員は法令順守(コンプライアンス)が強く求められるのです。

(2)問題が生じた時点で、すぐ上司に報告、相談し、市あげての対応をしなければならないということです。

ホームページでの広報を削除してほしいと言われた時点で、解決にあたっていればもっと解決の道や幅があった筈です。

(3)市の仕事は、人々の生命や健康や財産に大きな影響を与える大切なことばかりですので、十分自覚してください。

三.いよいよ明日が23日(土曜日)の上映予定日です。

本日(22日、金曜日)のお昼までに、入場料を払って頂いた826人全員分に連絡が取れました。

四.以上、反省します。