味間こども園 新たに検討をはじめます(市長日記H26.9.4)

更新日:2020年03月24日

味間地区で、就学前の保育、教育を行う「こども園」を開設していますが、おとわ園とすみよし園に分かれて不都合もあり、また、平成28年度に園児数がピークを迎えると予想されることから、一体化した施設整備を目指しています。

教育委員会において、篠山口駅西の市営駐車場に建設する案とおとわ園に増設する案を検討し、おとわ園では、保護者の送迎車両が1.4倍にもなることから交通安全上、危険性が高い、駐車場も確保できないという理由から、駅西駐車場に建設する方針を固めつつありました。

ところが、先週(8月26日)になって、市民の方が柏原土木事務所に確認に行かれて、この土地(駅西駐車場)が未完成の調整池であると市役所に連絡がありました。

そのため、柏原土木事務所にある当時の申請図書を精査し、また、関係者の方々にお話を伺って調査してきました。

おおよそ次のことが判りました。

1.事実の概要

篠山口駅の西側一体17.4ヘクタールについて、旧丹南町の時代、篠山口駅西土地区画整理組合が事業主体となって、土地区画整理事業を行いました。

平成8年当時、兵庫県の「調整池指導要領」に基づき1ヘクタール以上の開発にあたっては、調整池の設置が必要とされていました。調整池とは、下流域の洪水災害を防ぐための水を貯留する池のことを言います。

これに基づき、平成8年2月26日受付で、丹南町長から柏原土木事務所長に「調整池設置協議書」が提出され、同年2月28日付で同意を受けました。この協議に添付された図書によると、調整池として、駅西駐車場の土地、大沢第1公園の土地、大沢第2公園の土地、大沢第2公園東側の個人所有地、合計1万1,000平方メートルが調整池とされ、そのための外周の擁壁工事、導水路工事等(総工事費約10億円)をすることとされていました。

しかし、今日まで上記の工事はなされておらず、従って、調整池の役割も果たさず、調整池看板も設置されていません。

常時水位25センチメートル~60センチメートルの文字どおり池とするものですし、個人所有地もあること、膨大な費用を要することを考えると、実現不可能ともいうべき計画となっています。

2.何故、形だけの申請・協議であったか

駅西区画整理事業の減歩率は26%を超えているのに、さらに池のためだけに用地を生み出すことは、到底組合員の理解を得られるものではありませんでした。

そこで、駐車場、公園などを調整池と位置づけましたが、これを常時水が溜まっている池とすることも、個人所有の土地を池とすることも、同じく組合員などの理解が得られるものではなかったし、高額な調整池工事費用の捻出も、組合も町も出来るものではなかったというものです。

当時の担当の町職員としては、やむを得なかったと言います。

3.今からこの調整池を造る必要があるのか

現在では、県の総合治水条例が施行され、法的に義務付けられていますが、平成8年当時は、あくまで行政指導で強制力はありませんでした。

4.何故、今まで分からなかったのか

当時の町長さんも、本件の経緯をご存知なく、また組合員も一部の方しかご存知ありません。

以上のようなことでした。

調整池として届け出た土地に、認定こども園を建設することはできませんし、また、土木事務所から駅西が土砂災害警戒区域で、今後、公共施設建設の基準が厳しくなるとも指摘を受けました。

従って、一から検討せざるを得ません。

これまで、説明会などにご参加いただいた皆様には本当に申し訳なく思います。

今後は、教育委員会のみならず、市長も先頭に立って、篠山市あげて早急に取り組みを進めます。

また、このような形だけの申請は、複線電化を前に駅前を整備するという大事業を成し遂げるためであったことは理解できる部分もありますが、やはり正しい方法ではありません。

今後の教訓にもしなければなりません。