西紀中学校ジュニアボランティアが南三陸町を訪れる(市長日記H28.8.30)

更新日:2020年03月24日

篠山市社会福祉協議会の前田局長さんより、報告をいただきました。

西紀中学校ジュニアボランティアの一行が、8月26日から27日の二日間に「東日本大震災に学ぶ視察研修会」で南三陸町等を訪れてくれました。
今回の視察研修会は、「子どもたちにも東日本の地に出向いて震災の実態を学んでほしい!」との思いで多額の支援金のご寄付をいただいた方々のご厚志によって実現しました。また、西紀ライオンズクラブや西紀支部民生委員・児童委員のみなさんのご協力もいただいたおかげです。本当にありがとうございました。
中学生の純粋な心に、芽生え、育まれた震災に対する思いは、追悼のメッセージにも現れているように、次の時代に引き継がれていくものだと確信しました。若いみなさんの活躍を心から期待しています。

西紀中学校体育館の前で、ジュニアボランティアの生徒と関係者が2列に並び片手をガッツポーズをして写っている集合写真
  • 出だしから大ハプニングに遭遇
     到着機の遅れで2時間大阪空港のロビーで待機しました。
    昼食のバイキングはどうなる?
大阪空港の出発時刻の案内版に、仙台行きは「使用機到着遅れのため、2時間遅延」の文字が表示されている写真
空港のロビー待合席で生徒や関係者が座って待っている様子の写真
  • 大川小学校での慰霊訪問
    昼食のバイキングは、キャンセルして、空港で軽食(サンドイッチおにぎり)で済ませて、大川小学校へ慰霊の訪問をしました。震災の当時のまま保存さえている校舎をみて、当時の津波の恐ろしさをしることになります。
3重の塔のような石で作られている慰霊碑の前に、制服を着たジュニアボランティア生徒達が集まっている様子の写真
慰霊碑の前にジュニアボランティアの生徒と関係者が集まり、代表の男子生徒が追悼メッセージを読んでいる様子の写真

西紀中学校ジュニアボランティア育成事業 「東日本大震災に学ぶ視察研修会」
大川小学校及び南三陸町防災対庁舎の慰霊碑において献花と追悼のメッセージを朗読し、参加者全員で犠牲になられた方々のご冥福をお祈りしました。(その追悼メッセージの全文で。)

(1)大川小学校への追悼のメッセージ

 東日本大震災から5年が経過した今、僕たちはボランティアとしてこの地を訪れました。
 この大川小学校では、小学校の児童74名と、教職員10名が震災で亡くなられたことを知りました。震災は、亡くなった方々のこらからの未来も奪っていきました。その方々には、もう明日は来ません。そう思うと、僕たちが今生きている時間は、当たり前にあるものではないのだと気づかされます。周りにいる家族、友達、先生、地域の方々、自分の周りの人たちも、決して当たり前にいるわけでなく、いつ、何が起こるか分かりません。だからこそ、今ある人生を、一日一日大切に生きていきます。そして、この震災のことを決して忘れません。それが、僕たちにできるいちばん大切なことだと思っています。
 これから先、いつ、どんな災害が起こったとしても、助け合いの気持ちを持って被害を減らしていきたいと思っています。この事実をしっかりと心に刻み、亡くなられた方々の分もこれからの未来にいかしていくことを約束します。

平成28年8月26日 兵庫県篠山市立西紀中学校 一同 (代表3年A組 岡澤 健太さん)

(1)南三陸町防災対策庁舎での追悼メッセージ

今この瞬間に生まれた新たな光。
今この瞬間に消えた光。世界は、光であふれています。
しかし、2011年3月11日午後2時46分に起きた一瞬のできごとでたくさんの光を失いました。
誰も想像していなかったできごと。
誰も覚悟をしていなかったできごと。
自然災害はいつ起こるかわかりません。
こらから、10年、20年が過ぎ、私たちが大人になった時、子ども達は、みんなは、東日本大震災について考え、学んでいるでしょうか。
大切な人に伝えたかった想い、果たしたかった約束、叶えられなかった夢。被災された方は、それぞれの想い残したことをもっておられることでしょう。
自然災害は、なくすることはできませんが、その被害を減らすことは可能です。
今、私達にできること、それは日頃から震災に備えること。互いに助け合いながら生きていくことだと思います。
私たちが今、生きている今日という日は、亡くなられた方が生きたかった今日。
あの日が、私たちには教えてくれました。
命という大切な宝を。

平成28年8月27日 兵庫県篠山市立 西紀中学校一同 (代表:3年A組 松本 瞳衣さん)

  • 南三陸町役場にて復興状況の研修
     約30分遅れで南三陸町役場を訪問しました。まず、はじめに篠山市から派遣職員で、南三陸町復興市外地整備課で勤務されている酒井克美さんを表敬訪問しました。男性職員が多い中、頑張っている姿が印象的でした。
    その後、新築された「南三陸病院・総合ケアセンター南三陸」に場所を移して、保健福祉課工藤係長に「南三陸町の復興状況と今後の課題について説明を受けました。西紀中学校生徒は積極的に質問をしてくれました。
    人口の減少が大きな課題のようです。
会議室で、女子生徒が自分の席から立ちマイクを持って発表をしている様子の写真
会議室にてジュニアボランティアに参加した生徒達は席に着いており、その中の男子生徒が席の横に立って、マイクを持った男性が話をしているのを聞いている様子の写真
白いポロシャツを着た白髪の男性が立ち上がって話をしており、制服を着た女子生徒が話を聞いている後ろ姿の写真
机の上に模造紙が置かれて女子生徒が文字を書いており、同じ机に生徒と年配の男性と女性も座っており、グループワークで話し合いをしている様子の写真
  • 夜には防(減)災学習会を全員参加のグループワークを行いました。
    ゲストティーチャーに、南三陸町語り部ガイドの後藤一磨さんと篠山市からの派遣職員の酒井克美さんを招き、防(減)災学習会を宿舎である南三陸町「平成の森」の会議室で午後7時30分から行いました。
    3班のグループに分かれて、後藤さんと酒井さんに質問することを話し合って決めました。生徒14人全員が1回以上質問することを目指して学習会を進めました。後藤さんは、「震災で亡くしたものじゃ計り知れないが、人と人のつながりと命の大切さを教えていただいた」と話された。

27日(土曜日)午前8時30分

雨が降っていましたが、南三陸町防災対策庁舎前で慰霊の献花と追悼メッセージの読み上げを行いました。津波で庁舎が飲み込まれるまで、避難放送をされていた三浦さんをはじめなくなった54人の町職員のご冥福をお祈りしました。

雨の中、傘をさしてジュニアボランティアの生徒が紺色ののベストを着た男性の周りに集まって話を聞いており、生徒達の前には沢山の献花が供えられている様子の写真
  • 戸倉復興(災害公営)住宅での交流
    戸倉復興住宅(80戸)の公民館で地元もの方々と交流を行いました。生徒からの、復興ソングの「花は咲く」合唱して交流が始まりました。
    ジェスチャーゲームなどの出し物をいろいろ準備していましたが、20名の参加されたお年寄りは、「若い人と話しをするのが一番」と約1時間にわたりグループに和分かれてゆっくりとお話ができました。最後には、デカンショ踊りを披露して日本遺産のまちをPRしてきました。
ジュニアボランティアの生徒と住民の方が机を挟んで対面で座っており、笑顔で楽しそうに話をしている様子の写真
ジュニアボランティアの生徒達が、住民の方に小さいリボンの付いたものを手渡ししている様子の写真
ジュニアボランティアの生徒が机を挟んで対面で住民の方が座っており、住民の年配の女性が話をしているのを聞いている様子の写真
  • 高野会館を視察
    震災当日に、社協主催で老人会の芸能大会が開催されていました。350人がこの屋上に時避難して助かりました。3階の上部まで津波に飲まれていましたが、身を寄せ合いながら一夜を過ごしたようです。いまも震災の爪痕を残している唯一の施設です。

この高野会館は、23年7月第4次学生ボランティアで派遣された場所でした。大量の泥山しを一生懸命しました。当時のまま5年が過ぎた感じです。悲惨な震災を今も残しています。

ジュニアリーダーの生徒達が、震災当日に芸能大会が開催された会場の視察を行っており、ベストを着た男性が両手を広げて説明をしており、建物の中は当時のままで、床はコンクリートで壁紙もはがれ、天井も破れてしまっている様子の写真
  • 第5回あらと祭に参加
     特別養護老人ホームで開催された納涼祭に「指マッサージ(アロマセラピー)」のブースを2か所開店させていただき来場者等との交流を深めました。30分の短い交流でしたが、生徒がお客さんを呼び込み20名の人に指マッサージを提供できました。
第5回あらと祭りが開催されており、舞台上にはギターやキーボートの演奏に合わせて5名の男の子と女の子が歌を歌っており、老人ホームの入所者が祭りの法被を着て見ている様子の写真
ジュニアボランティアの女子生徒が机に座って、年配の女性の手にアロマを付けてマッサージをしようとしている様子の写真
テントの下に「指マッサージ(アロマセラピー)」のブースを設けており、ジュニアボランティアの女子生徒が年配の女性の手をマッサージしている様子の写真

今回の視察研修の目的は、(1)震災の事態を知る。(2)防災(減災)意識を高め震災に強いまちをつくる。(3)人との交流を通じて仲間づくりをする。この3つの目標を掲げて東北を訪問しました。
後藤さんをはじめ南三陸町のみなさんの前向きな姿勢に感動するとともに元気をいただけたようです。
今回の研修が、今後の中学生活と将来に活かされることを願っています。