世界平和アピール七人委員会・作曲家「池辺晋一郎さん」講演(市長日記H29.10.5)

更新日:2020年03月24日

 今田町出身の下中 弥三郎さんの提唱によって発足した「世界平和アピール七人委員会」の講演会がありました。

 七人委員会は昭和30年に発足した、知識人、文化人有志7人の会で発足当時の委員は下中 弥三郎、平塚 らいてう、湯川 秀樹などでした。
 現在の委員は、武者小路 公秀(むしゃこうじ きんひで 国際政治学者)、大石 芳野(おおいし よしの 写真家)、小沼 通二(こぬま みちじ 素粒子物理学者)、池内 了(いけうち さとる 宇宙物理学者)、池辺 晋一郎(いけべ しんいちろう 作曲家)、高村 薫(たかむら かおる 作家)、島薗 進(しまぞの すすむ 宗教学者)の7名です。
 人道主義と平和主義にもとづき、これまで国内外に126本のアピールを発表しています。
 本来は政令市等の大都市で開催されますが、下中 弥三郎没後50年の節目である2011(平成23)年11月に篠山市で記念講演・シンポジウムが開かれ、以来、委員会のご厚意で毎年篠山市で講演会が開催されています。

 今回の講演者は、作曲家の池辺 晋一郎さんでした。
 「N響アワー」の司会。大河ドラマの「黄金の日々」「独眼竜正宗」、朝の連続テレビ小説「澪つくし」「君の名は」、黒澤 明監督の映画「影武者」「まあだだよ」、今村 正平監督の「楢山節考」「うなぎ」などなどの楽曲を創作されています。

 当日は、池辺さんの人気もあり、会場はいっぱいとなりました。
 一部の講演会では、「憲法の力 音楽の力」と題して講演いただきました。
 講演の当初から、「私はダジャレが『趣味』といっていたら、黒澤 明さんからは、『君は病気だよ』と言われた」とのエピソード言われたように、随所にダジャレを交えながら、お話しされ、楽しく聞くことができました。
 「私は音楽家であるが、皆さんは音楽家ではない。しかし、音楽には常に触れている。政治するものが政治家であるが、皆さんは政治家ではない。しかし、政治に常にかかわっている。音楽も政治も生きることであり、生活することである。特別なことではない。ゴミ出しのルールも政治といえる。」
 「憲法の前文に、『われらは、平和を維持し、先制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う』とあるが、
 国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思うならば、第9条を変えることはできないと考える。北朝鮮などの動きの中で、改憲の動きがあるが、この本質を見抜かなくてはならない。」
 「人類は、核使用により、自然淘汰する運命なのかと思うときがある。しかし、人類は『かしこい』と信じたい。破滅を、指をくわえてみていることはないと信じる。破滅に向かわないよう、皆に考える機会を提供するため、七人委員会の委員として活動している」

 2部のパネルディスカッションでは、池辺さんと、篠山混声合唱団の竹内 和男さん、メロマン室内管弦楽団の萩森 学さん、城南小学校の畑中 さとるさん、篠山東中学校の田端 美佐さんで、「音楽の力による ひとづくり まちづくり」をテーマに発表がありました。

 また、「音楽の力」に関する発言がありました。
 「ベネズエラという国がありますが、とても治安が悪い状況だったそうです。その時に、少年オーケストラを創ろうという動きがあり、設立されたそうです。その後、年月が経ち、大人のオーケストラが出来、続いて、プロのオーケストラをできたそうです。すべての階層でオーケストラが結成されるようになりました。このような状況になったとき、国はどのように変わったかというと、治安がたいへん良くなったといわれています。つまり、オーケストラに属することで、一人だけが飛び出るのではなく、周りと調和する必要性を学ぶことで、社会の規律も守れるようになったそうです。」

 この七人委員会の事務局長として活躍いただいている小沼 通二さん。
 御年86歳になられていますが、当日は早めに来篠され、河原町を散策後、歩いて市民センターまで来られました。アクティブです。パネルディスカッションのコーディネーターとしても活躍頂きました。

1部講演演題「憲法の力音楽の力」講師池辺 晋一郎さん(世界平和アピール七人委員会委員)と書かれたスクリーンの前に立っている池辺 晋一郎さんとその横に立っている女性の写真
スクリーンの前に座ってディスカッションしている池辺 晋一郎さん、竹内 和男さん、萩森 学さん、畑中 さとるさん、田端 美佐さん、小沼 通二さんと手話通訳の3人の女性の写真