年頭にあたり(その2)丹波の森構想30年(市長日記H30.1.5)

更新日:2020年03月24日

「丹波の森構想」が30年を迎えます。
 これは昭和63年、先の兵庫県知事(故)貝原 俊民さんが提唱された、丹波地域の地域づくりの理念です。
 当時、JRの複線電化、高速道の開通といった整備が進み、大都市近郊としての変化の時期を迎えていました。
 そこで、丹波全域を「丹波の森」と称して、豊かな伝統文化や自然を保存、磨き上げることで21世紀にむけた丹波地域をめざしたものです。
 この宣言書は、丹波地域の全世帯に配布され、2万あまりの署名が住民の総意を表すものとして回収されました。

丹波の森宣言

 丹波の自然と文化は、現在および将来にわたる住民共有の財産であって、これを維持発展させることは私たちに課せられた重大な責務です。
 今、私たちはこの責務を強く自覚し、お互いに力を合わせて、自然や文化を大切にしながら、これらを生かした「丹波の森」づくりを次のように進めることを宣言します。

  1.  丹波の健全な発展をそこなうような自然破壊は行わず、森を大切に守り育てます。
  2.  丹波の自然景観を大切にし、花と緑の美しい地域づくりを進めます。
  3.  丹波の文化景観及び歴史的遺産を大切にし、個性豊かな地域文化を育てます。
  4.  丹波の素朴さと人情を大切にし、安らぎと活力に満ちた地域づくりを進めます。

昭和63年9月1日

 篠山市が日本遺産のまち、ユネスコ創造都市、全国の景観モデルなど、注目を集めるようになったのも、この構想による取り組みが大きいと思われます。
 丹波篠山のまちなみ、景観、歴史文化はあこがれとなりました。
 また、お祭や新しいシューベルティアーデも、市民のなかに溶け込んでいます。
 一方、山や川など、自然の姿や生物多様性などは、逆にその良さが失われつつあると言われます。
 そこで30年を機に、この理念の原点に立ち戻って新たな挑戦を始めていきます。

1月1日 元朝能の様子(春日神社)

春日神社の能舞台に灯りの灯った提灯が下げられており元朝能を観客が見ている写真