ホテルルートインの説明会終わる(市長日記R1.11.11)

更新日:2020年03月24日

大きな建物前の通りを女性二人が歩いている様子
青空の下で大きな建物と敷地内に植栽が植えられている写真

1.金野幸雄さんと、あと市民1人の方が市に対し、ホテルルートインの開発を許可しないよう求める行政訴訟を提起されたという新聞報道がなされました。
金野さんは、私が市長1期目の平成19年から23年に副市長を務め、特に古民家の改修に力を入れられ、平成24年からは一般社団法人ノオトの代表として古民家を改修したホテルニッポニアを全国的に展開されました。
全国的なご活躍には、心から敬意を表するところですが、今回のご主張は余りに偏ったもので多くの市民の意向に沿うものではありません。


2.丹波篠山市は、美しいまちづくりを目指し、地方自治体のなかでも先進的な取り組みを進めてきました。
良い開発を地域住民が選別するため、平成23年にまちづくり条例を改正し、開発には地域の同意を必要としたり、説明会の開催を義務付けました。
平成23年には景観条例、平成26年には土地利用の条例、屋外広告物条例、平成27年には太陽光パネルの景観ガイドラインも定めました。
今回の開発予定地は歴史的地区にあたり、原則1,000平方メートル以上の開発は認められませんが、特例としてこれを越えても認められる場合があることを規定し、「地域の振興」「地域の合意」「景観の配慮」などの要件を満たした場合は、市長がまちづくり審議会の意見を聞いて判断するとしています。
事業者ルートイン開発株式会社はこれに従い、当初の計画を大幅に修正して景観に配慮したり、地元の雇用、地元食材の活用、イベントなどの協力、国内外へのPRを約束されたり、地元への説明を尽くしてきました。
まちづくり審議会でも、「気安く泊まれるホテルは市民が期待するもの」「景観も大幅に修正されている」と開発を認め、これにもとづき、市でも丁寧に検討をし、本年9月3日に事前協議を了し、開発を認めることとしました。


3.今回のホテルルートインの完成予想図(パース)を見て頂ければ、三階建ての低層で、壁面後退、瓦屋根、細格子、植栽帯など、大きな配慮がなされています。
ここまで配慮を尽くされているのに、なぜ反対できるのでしょうか。
圧倒的に多くの市民が賛成していることに間違いはありません。期待の声も大変大きいものがあります。
先日から高齢者大学や学校訪問でもこのお話をしていますが、圧倒的に多数の方が賛成です。これがなぜ問題とされるのかよくわからないと言われる方がほとんどで、反対する方がおられると言うとびっくりされます。


4.先日11月2日に、3回目の市民説明会を開きました。
訴訟となったことから関心をもって参加して頂いた方も多かったようです。
その中で、商工会会長をされていた方(64才)のお言葉がすべてだったと思います。「この土地は民間であるJRバス所有で、市の自由になるものではありません。かつて、物品販売などの開発計画が何度か持ち上がっていました。民間の手によって将来もいろんな計画がもちあがることも予想され、将来の土地利用から考えても、今回のホテル計画は良いものと認められます」というもので、大方の参加者は納得されたと思いました。


5.この5月から丹波篠山市に市名変更しました。
デカンショ節の息づくまちで日本遺産(平成27年)、ユネスコ創造都市(平成27年)、丹波焼など日本六古窯で日本遺産(平成29年)、全国の景観モデル都市(平成29年)など、そのまちの魅力が評価されてきました。
これを観光や農業に結び付け、将来の活性化、そして未来につないでいかなければなりません。
この秋も多くの観光客でにぎわい、確実に増えてきています。
しかし、気安く泊まれるホテルが少ないのです。ニッポニアは1人3万円以上するとのことで、なかなか泊まれるものではありません。
現在、和室を除いて泊まれるところは、ホロンピアホテル42室、ユニトピアささやま40室、新たんば荘10室などにすぎないのです。
年間観光客242万人のうち宿泊者は約4.9%(12万人)にすぎず、滞在型の観光客を増やすことが望まれています。


6.まちなみを守ろうとしても、これを活かして活性化しなければ、誰も守ろうとしなくなります。守れるものも守れなくなってしまいます。
魅力を益々伸ばし、これを未来につなげるよう頑張りましょう。