中学校部活動の充実に向けて(市長日記R3.1.14)

更新日:2021年01月14日

令和3年1月14日

小規模な中学校でもできるだけ、生徒が望む部活動ができる体制づくりをめざして、市の総合教育会議で令和2年3月から議論を始めましたが、協議が整いました。

総合教育会議とは、市長と教育委員会との会議で、学校教育にかかわる基本的な事項、条件の整備や施策について協議・調整するものです。

ここで調整されたことについては、関係者は法律上も尊重の義務があります。この間、中学校の校長先生や教職員組合の先生方とも何度も話し合いをもち、それぞれのご苦労もよく分かりました。

やっとのことで協議がまとまり安堵しています。

 

きっかけは、令和2年2月、篠山東中学校ソフトボール部の保護者会から部の存続を求める要望書が、市に提出されたことからです。

 

中学校の部活動は(教育課程外の活動であるが)学校教育活動の一環として学習指導要領に位置付けられ、目標に向けて仲間と協力し課題を克服して達成感を得ること、生徒たちの心と体の健全な育成を図ることなど、教育的な価値が高く大変意義深いものです。

しかし、現状の部活動は教員の負担が重く、朝練や放課後など、教員が勤務時間外に労働することで成り立ってきた面があります。学校の働き方改革の一環から、教員の超過勤務の増大などが問題とされ、部活動に携わる教員の負担の軽減や適正化が必要とされています。

生徒の数が減り、それに伴い教員の数も減るとすべての部活動を維持していくことが難しくなってきています。

 

かと言って教員の数に合わせて部活動の数を決めるのは本末転倒と考えました。9人そろわない状況が2年続いて廃部というのは、小規模校ではこのような競技が選べなくなってしまいます。

やはり、生徒が希望する部活動の機会をできるだけ損なわないよう努めるのが、市や学校や教育委員の仕事です。

そこで、合同部活動などの対応や配慮をするものとしました。単一の中学校では、試合に出場できない部員数の場合は、複数校で実施する合同部活動や、男子と女子の合同部活動の体制づくりなどです。

むろんこのような配慮を尽くしても、学校においてどうしても競技を選択せざるを得ない場合もあり得ると考えられます。

 

では、生徒が希望する部活動の機会を守りながら教員の負担を軽減するにはどうするかです。

そこで、「部活動指導員」を積極的に任用し、学校に配置することとしました。部活動指導員については、これまでの技術指導にとどまるのではなく、活動内容に責任をもち、教員と連携して指導できる人材を公務員として登用できるよう取り組みます。

 

今後部活動のことをどのように決めていくかについても、生徒、保護者、地域住民の意向を十分に配慮することが必要で、学校運営協議会などにおいて、十分な情報提供を行い、話し合われることが望ましいとしました。そのうえで校長が決めることになります。

 

来年度は、各中学校に部活動全体をみる指導員を配置する予定です。文部科学省は、「休日の部活動は、学校の職務として教師が担うのではなく、地域の活動として地域人材が担う」とする方向性を示しています。市においては、休日の部活動を地域がどのように担えるか検討を進めていくことになります。

生徒たちのかけがえのない部活動充実のため、市も全力を挙げますので、教員の皆さん、そして地域の皆さんもぜひ指導いただきたいと思います。

篠山中・篠山東中学校のソフトボール部員がグラウンドで整列している
打者がボールを打とうとしている