環境セミナーでニキ・ローレケさん講演(市長日記R3.9.6)

更新日:2021年09月06日

令和3年9月6日

「環境問題は心の問題。意識が変わらなければ本物の変化はありません。」力強くそう話すのは、世界のトップ企業とも仕事をし、自然環境を大切にしたアートで活躍しているニキ・ローレケさん。9月5日、丹波篠山市の各自治会環境委員等を対象とした環境セミナーで、ニキ・ローレケさんにご講演をいただきました。

ニキさんは、東京都生まれ。ロンドンで学び、ニューヨークで仕事をされるまでは、大都会暮らしでした。でも、華やかな消費生活に疑問を持ち、都会を離れ自然豊かな島で自給自足の生活を1年間体験し、自然の恵みの中で植物や動物と共存する生き方に目覚められます。

「自分で体験しなければ、何が大切なことか分からない」と、その後は、インドやアマゾンのジャングルなど、文化や生活環境の全く違う世界に飛び込み、現地の人と同じ生活を経験し、ゴミ問題や自然との向き合い方にたくさんの気付きを得られます。

世界を旅する中で、絵を描くと子どもたちが集まってきて一緒に楽しんだ体験を通して、アートは言葉や文化が違っても人の心をつなぐもの-社会を変革するツールだと実感されました。物はなくて貧しくても幸せを感じている人々の姿に、本当の貧しさは物があり過ぎてもまだ足りないと感じる心だと気付かれたそうです。

その後、日本に帰られてからは、日本の古民家生活、山伏修行を体験。ゴミ問題を自分の大きなテーマととらえ、海外の共同で使える生ゴミ用コンポストを紹介、ご自身でもダンボールコンポストを使っておられ、有機野菜を育てていきたいそうです。

また、種子法、種苗法の改正に関心を持ち、ご自身がパンフレットも手掛けられたタネの問題、食の安全についても熱く語られました。除草剤の問題(ラウンドアップは、どんどん禁止されている国が増えている中、日本はまだ販売している。)は、都市部の若者が草刈りに来て体験すればよいと、「若者の草刈り遠足」を提案されていました。

丹波篠山市の山間で仮住まいされ、自然の素材でできた古民家、日本の昔ながらの営みは自然循環型の理想とのこと。世界中を旅されて、丹波篠山市が一番だそうです。これから、本格的に移住を検討されています。

愛犬と一緒に丹波篠山市の山里を散歩し、近所のおじいちゃんやおばあちゃんと話をすると、「こんな何にもないところへ・・・」と言われますが、「いえいえ、ここにはすべてがあるんですよ。」と返されるそうです。

ニキさんのアーティストとしての豊かな感性を生かし、アートを通じてめざされる「すべての命が尊重される世界」、「ゴミでなく愛であふれる世界」の実現を応援したいと思います。

実体験に基づく広い世界のお話は、とても説得力があり心に響くものでした。

≪プロフィール≫

アーティストNiky Roehreke(ニキ・ローレケ)さん

東京都出身。ドイツ人の父と日本人の母の間に生まれる。東京、ロンドン、ニューヨーク生活を経て、ワシントン州にある小さな島に拠点を移す。森の中で自給自足の生活を経験し、アートを通じて現代の高まる環境保全に取り組もうと決意する。

 島の生活後、世界中を旅し、2020年から日本に拠点を置く。資生堂、アシックス、Google、Appleなどの国内外のクライアントワークの他、アートは社会変革や平和的な活動のためのツールであると考え活動中。

ごみの減量化について、スライドを用いて説明している男性職員

▲市の取り組みなどを説明する農村環境課 岡係長

身振り手振りをまじえて女性が説明されている

▲ニキ・ローレケさん

スライドを用いて環境問題をテーマにされたデザインを女性が説明している
壁にデザインがたくさん貼られていて、机でデザインを考えている女性の写真をスライドに写して、女性が説明している