歯のはなしvol.67 震災避難所での口腔ケア

更新日:2020年03月24日

 さる3月11日、宮城県沖と茨城県沖を震源とするマグニチュード9.0の大震災が発生しました。

 大津波により多数の死者、行方不明者が出ています。そして多数の方が依然避難所生活をしています。

 電気、ガス、水道などのライフラインが断たれると、多くの問題が発生します。高齢の方では、普段でも若いときに比べ、唾液の分泌量が減って、口の中は乾燥しています。その上、水が出ない状況が続くと歯みがきができないため、口の中は、食べ物のかすがたまり、不潔な状態になります。唾液が減っているため自然清浄作用が働かず、口の中で細菌が異常に繁殖した状態になり、痰も口の中で乾いて固まります。これらを食道から肺の方に少しでも誤嚥すると誤嚥性肺炎が起こりさらには重篤化して死亡することになります。阪神大震災のときも、これにより地震後に死亡した高齢者が多かったのです。

 避難所では、歯科医師や歯科衛生士が『高齢者の口腔ケア』を必死に行っています。その中には、自分の診療所も被災したり流された歯科医師も多いのです。復興までの道のりは始まったばかりです。長く支援していく必要があります。

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