歯のはなしvol.61 セラミッククラウンの歴史

更新日:2020年03月24日

 セラミックは天然の歯に近い審美性があるため、19世紀末にはセラミックポーセレンジャケット冠が実用化されました。しかし、硬くて割れやすいという欠点があったため、実用化されることは稀でした。1950年代になり、メタルセラミック冠(金属のフレームにセラミックを焼き付けた冠)が開発され、強度的に優れているため今日までずっと実用化されています。しかし、患者自己負担は現在保険適用の硬質レジン前装冠よりもかなり高くなります。他国では保険に導入されている国もあります。

 強度は強いのですが、メタルセラミック冠はどうしてもメタルの上に焼き付けるため審美性を多少犠牲にしていたところがありました。

 1990年代以降コンピュータの進歩発展が著しく、今まで手作業でセラミックのコア材を盛り上げていたので強度的に弱かったのをCADCAMでコア材をコンピュータで削りだすようになり、作業効率も強度もかなり進歩したため実用的になってきています。利点として、メタルを使用しないので、透明感のある白さが出る。金属アレルギーのある人に用いることが出来る。などがあり、欠点としては、アルミナのように透明すぎると中の歯の色を反映するため、土台から金属でないものにする必要があることもある。中にはジルコニアのように色を通しにくいものもあります。

 またセラミックは天然歯に比べ硬度は硬すぎるので、歯の方が磨耗するという考え方もあり、そのような場合セラミックとレジンの粒子を混合したハイブリッドセラミック冠という歯に似た硬度のものもあります。

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