歯のはなしvol.62 コンポレジットレジンの歴史

更新日:2020年03月24日

 1960年代以前、歯科では金属材料の他、セラミックと高分子材料のプラスチックが、主に審美性を重視される前歯部で、それぞれ単独で用いられていました。しかし、実用性に耐えるものではありませんでした。

 1960年代半ばになり、シリカの粒子とレジンモノマーを化学的に結合させることに成功し、コンポジットレジンが生まれました。当時は、2種のペーストを混ぜ合わせて硬化させる化学重合方式で、硬化するまでに時間も5分くらいかかり、粒子も粗いものでした。

 1970年代には、紫外線照射器を用いて、レジンを硬化させる方式が誕生したが、紫外線の体への害が懸念され、次第に姿を消しました。

 1979年になり、可視光線照射器を利用した重合方式のレジンが開発され早く硬化させることが出来、患者にとっても快適なため、今ではこの方式が主流になっています。

 しかし、当時はまだ、接着剤の硬化と、レジン本体それぞれに1分30秒ほどかかったため、全体としては3分ほどの時間がかかり、多くの照射器の光源としては、ハロゲンランプが用いられていました。これは現在も用いられており、今では全体で、ハロゲンでも1分ほどの速さで硬化します。21世紀になり、光源に新世代型のキセノンランプや、青色LED,アルゴンレーザーなどを用いた新型照射器が登場し、5秒で硬化させることが出来るように進化しています。

 パソコンや携帯、車の進歩と同様、歯科の世界でも、いろいろな技術が進化してきているのです。

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