歯のはなしvol.60 歯の被せ・詰め物の歴史3

更新日:2020年03月24日

 前歯がむし歯になったとき、1960年から1970年代以前は、銀歯や金歯の被せにするしかありませんでした。

 以後、金属にレジンというプラスチックを接着させたレジン前装冠(ぜんそうかん)が開発され、1990年代前半に健康保険に導入されたことにより、今では保険で前歯に白い歯を入れることができます。そしてレジンの材質も改良を重ね、今ではかなり綺麗に治せるようになったのですが、プラスチックなので、食品や飲み物の色を吸い込み黄色あるいは茶色く変色する問題があります。

 そのようなことが起きにくいのが、セラミック陶材を金属に焼き付けた陶材焼付前装冠(とうざいやきつけぜんそうかん)いわゆるメタルボンドといわれる被せで、500年程度の歴史があり、経時的に変色しませんが、保険適応外です。このような被せは、全て型を取り模型を作った上から、蝋(ろう)でワックスパターンを作り、鋳型(いがた)を作って金属を鋳造(ちゅうぞう)した上につくられたものでした。

 しかし、近年技術の著しい進歩で、模型を光学的にカメラで読み取り、コンピューターで計測して、セラミックを機械で削りだしてコア材を作り、その上からセラミックを焼き付けるオールセラミックという被せができるようになりました。開発当初は材質が脆いという欠点があったのですが、今ではそのような心配もなくなり天然の歯と見分けがつかない位の自然な美しさを回復できるようになりました。

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