歯のはなしvol.58 歯の被せ・詰め物の歴史1

更新日:2020年03月24日

 むし歯になった箇所は、むし歯を削りとったのち、なんらかの材料で埋めることで修復する必要があります。昔は、おそらく生薬を練った詰め物で何とか埋めていただけだったのでしょうが、8世紀に中国の医学書に現代のアマルガムによく似た処方の詰め物が登場する。すなわち銀、錫、銅と水銀の合金である。

 アマルガムは今も保険で認められている治療ではあるが、水銀の害が叫ばれてから、あまり使用されなくはなっている。しかし、銀イオンの作用などで、むし歯を抑制する働きがある。

 むし歯を治すには、歯を削らなくてはならない。すなわち、切削器具の進歩と歩調を合わせて歯の修復技術は発達してきたといえる。

 切削技術が発達し、短時間で歯を削れるようになったのは、つい100年くらいにすぎない。また、きれいに型を取る必要があるため、印象材の発達も関与している。型をとって金属で詰め物を作成するのが、インレーであり、被せが、クラウン、複数の歯をつなぐ被せがブリッジである。保険で認められている合金は現在3種類で、最も生体親和性の高いといわれる金やチタンは保険適用外である。ともあれ、アマルガムや歯科用金属の詰め物によって、非常に長期間口の中で耐久性をもつような治療が出来るようになった。ただし、日頃の口の中の手入れをきちんとしていないと、むし歯菌の増殖により、再度同じ部位にもむし歯ができてしまうので、注意しなければいけませんよ。

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