歯のはなしVol.56 入れ歯の歴史2

更新日:2020年03月24日

 1700年代のワシントン・アメリカ大統領は、入れ歯で苦しんでいたことが知られている。金の板をベースにカバの牙をネジで埋め込み上下の総入れ歯を蝶つがいのように左右のスプリングで止めていたのだ。4回ほど作り直したが、口を開けると口から飛び出そうになるしろもので、使い物にはならなかったようである。これにさかのぼることおよそ200年、室町時代の日本で和歌山の仏姫という人が使用していた総入れ歯は、つげの木からできており、形も今の総入れ歯に似ている。今から600年ほど昔に、現代と同じような形に木を彫る職人がいたということである。

 また、東京の寺から、柳生宗冬さんの遺体とともに、上下の総入れ歯が発見されたが、これなどは大変良く出来ており、やはりつげの木を彫って歯の部分には天然歯、ろう石、象牙などが使われており現代の総入れ歯としても使えそうな位に良く出来ている。1635年ごろ口中医の小野玄人さんが作ったものとされている。

 総入れ歯の技術では日本の口中医の職人芸が世界のなかで、優れていたようである。

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