歯のはなしvol.40 各国の歯科保険制度

更新日:2020年03月24日

 日本の健康保険は国民皆保険制度で、世界的にみると非常に稀な実に安く、すぐに受けられ、安心な医療制度です。しかし、歯科医療に特有なクラウン・ブリッジなどのかぶせや入れ歯などの歯科補綴物の出来高制度があるため、国内では高い治療費とされがちです。

 しかしながら、一旦海外で生活された方なら実感されているかと思いますが、日本ほど安価に治療を受けられる国は他にあまりありません。例を出してみると、歯を抜くことに関して、抜歯術そのものの治療費は日本では2,600円(3割負担の自己負担分は780円)ですが、アメリカでは約20,000円かかります。また大臼歯(奥歯)の神経の治療費の総額は、日本では9000円(自己負担2,700円)ほどですが、アメリカでは10万円位かかるため、10万払えない人は、治療すれば残る歯を抜くことになるわけです。

 また、アメリカの歯科医側からすると、治療にリスクのあるような歯(かなり虫歯が進み根の部分があまり残っていない歯)は、10万円もかけて治療内容を十分保証できないため、「歯を残すより、抜いてインプラントを入れた方がいいですよ。」という話になってしまいます。

 しかし、日本では治療費が他の国と比較して格段に安価なため、かなり悪い歯でも、何とか残そうという発想が生まれてきます。これらは全て各国の保険制度の違いによるもので、治療制度に合った発想が生まれてきます。

 次回より、各国のさまざまな歯科保険制度について、説明していきます。

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