14 金山の鬼の架け橋 追入

更新日:2020年06月25日

其の十四●金山の鬼の架け橋 ■追入

多紀郡と氷上郡の境にある金山の頂上には大江山の鬼がかけたといわれる大きな岩の架け橋が架かっています。
平安時代の中期に、有名な源頼光の大江山の鬼退治の話がありますが、この石の橋には大江山の鬼が夜な夜な京へ出没しては金銀財宝を盗み、姫や子供をさらってはこの架け橋を渡って帰っていったという話が伝わっています。
鐘ヶ坂は谷深く、曲がりくねった峠で、その昔、鬼もこの峠を越えるのは難所だったようで、どうしても渡れない岩の谷間に大きな石で架け橋をつくって京へ行ったという話です。 この鬼の架け橋周辺には、多くの巨石が群がっていて役の行者や不動明王の石仏がまつられています。
この地には、昔かがら多くの人が訪れていますが、この鬼の架け橋を浮世絵師の安藤広重が天保五年に丹波路へ入り「日本六十余州名所絵図」として描いたことは、あまりにも有名な話です。
この鬼の架け橋は、実際には、今から五四〇年前の丹波から山陰にかけての大地
震の時に出来たといわれ、最初は石の架け橋と呼ばれていたという記録が残ってい
ます。