17 見内の二村さん 見内

更新日:2020年06月25日

其の十七●見内の二村さん ■見内

大昔、見内の里に伊弉諾尊があまくだる時、先ず剣を先に落とし、次に鶏に、
「この剣が倒れていればコケッコと鳴け、若し剣が刺さって立っておれば鳴くな。」
と命じて、鶏も一緒に降ろされました。
鶏は剣が倒れているのを見て、
「コケッコ。」
と、天に向かって大声で鳴いて知らせました。
そこで伊弉諾尊は、
「この土地は堅く、神の住める土地である。」
と言われ、伊弉冉尊(女神)を伴ってこの土地に降りられました。そして、この場所を
神内村と名付けられました。
神内村は、のちに御内村、さらに見内村となり、現在の集落を見内と呼んでいます。見内の村では、戦前まで、鶏は神のお使者としてこの地に遣わされたものとして、
「鶏は一切口にしてはいけない。鶏を飼ってもいけない。」
との先祖の言い伝えがあり、これを固く守ってきました。
戦争が終わって後、やっと鶏を飼ったり、鶏を食べたりすることができるようになりま
した。また、見内村には、黄金の鶏が天が谷の白南天のその先に埋めてあるという伝承が残されており、むかしそこを掘りかけた人がいたということです。