29 役行者と比丘尼 追入

更新日:2020年06月25日

其の二十九●役行者と比丘尼 ■追入

紀州の熊野三山は、熊の信仰の中心地として有名です。
大山で熊野の三神をまつっていた追入の聖権現は、集落の北方の宮ノ谷にお社がありました。
熊野信仰を布教した修験僧や比丘尼の足跡が、金山の山中に、不動明王や役行者の石仏として残されています。
大山宮の国時の山上にも行者がまつられていますが、これらは、共に布教していた比丘尼の存在を物語っています。
荒古新田の不動堂にも行者がまつられています。そして、お堂の前の谷も、尼が谷と呼ばれています。さらに、北の萩谷にある小丸山の山頂にも、役行者の姿を見ることができ、町之田の池尻神社の東方にあたるところに、びくに屋敷の地名が伝わりこのあたりは、熊野信仰を布教していった修験僧や比丘尼の拠点であったようです。