31. 興法寺と寺ヶ谷遺跡

沿革等
本尊は観世音菩薩である。
由緒：公堂山の南の谷を興法寺谷という。この谷に3ヶ寺あったという。今は1ヶ寺残り興法寺と称す。この谷には鎌塚が現存している。創建は大化4年（648）開祖は法道仙人といわれる。
寺ヶ谷遺跡は上板井集落の西側、興法寺山と板井城のある通称城山に囲まれた谷部に発見されたもので、遺跡の立地としてはこれらの山から延びた低い尾根の先端部に当たり、まわりの地形より少し高くなった台地上にあります
南に向かって開け、水はけや日当たりもよく、当地の生活には適した場所といえましょう。そのため一つの時代だけでなく、各時代毎に集落の形成が見られます。その中でも、特に注目を集めたのが旧石器時代の集落地跡です。今から22,000年前、鹿児島にある姶良火山が大爆発しました。この爆発による火山灰は、西日本全域に降り注ぎ、篠山盆地にも多くの灰が積もりました。板井、寺ヶ谷遺跡では、この火山灰層が確認され、この層の上と下に3,500点以上の石器や遺構が発見されました。近畿地方では最も古い旧石器時代の遺跡で注目を集めています。今は高速道路の下となり、目にすることはできませんが、多紀地方の黎明を明かす大変重要な遺跡です。