平成28年度人権に関する意識調査を実施しました

更新日:2020年03月24日

調査目的

篠山市では、人権尊重のあたたかいまちづくりをめざすため、「人権に関する市民意識調査」を実施します。この調査は、市民の人権に対する意識を把握し、今後の人権教育・啓発の推進施策を検討するためのものです。

調査期間

平成28年10月4日火曜日から11月11日金曜日まで

調査概要

調査対象

篠山市内に在住する18歳以上の市民

対象人数

2,000人

抽出方法

住民基本台帳より無作為抽出

調査方法

郵便調査

回収結果

有効回収数1,120件

有効回収率56.0%

調査結果概要

住民学習

平成28年度住民学習テーマ「高齢者の認知症」

 「認知症で徘徊する高齢者について、鍵をかけて家から出られないようにすることはいけないことである」と「あなたは、これまでに自治会の住民学習会や人権啓発活動(人権のつどい、人権フェスタ、人権講演会など)に参加したことがありますか。」とのクロス集計の結果、「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」を足した回答率が、参加回数が「1回も参加したことがない」人は37.1%に対し、「11回以上参加したことがある」人は、64.0%でありました。

一方「どちらかといえばそう思わない」と「そう思わない」の合計を比較すると「1回も参加したことがない」人は38.5%に対し、「11回以上参加したことがある」人は、21.9%となり、住民学習会や人権啓発活動への参加回数が多いほど「高齢者の認知症」への理解や意識が高いと見られます。

平成27年度住民学習テーマ「インターネットと同和問題」

「同和問題を知らない子どもたちには、教えないようにするべきだ」と「あなたは、これまでに自治会の住民学習会や人権啓発活動(人権のつどい、人権フェスタ、人権講演会など)に参加したことがありますか。」とのクロス集計の結果、「どちらかといえばそう思わない」と「そう思わない」の合計が「11回以上参加したことがある」56.1%、「1回も参加したことがない」39.6%となりました。

「同和地区についてうかつなことを言えば、大変な問題になる」では、「どちらかといえばそう思わない」と「そう思わない」の合計が「11回以上参加したことがある」36.7%、「1回も参加したことがない」21.5%、となりました。以上の結果から、住民学習会や人権啓発活動への参加回数が多いほど「同和問題」解消への理解や意識が高いと見られます。

このことから、「高齢者の認知症」、「インターネットと同和問題」を住民学習として取り組んできたことへの一定の成果が意識調査結果に表れていると考えています。

若年層の人権意識

「ニートやひきこもりは、本人に原因があると考えることはいけないことである」の設問の回答「そう思う」が、「30~39歳」、「40~49歳」においては、それぞれ14.7%、16.4%と際立って低い結果となりました。

また、「30~39歳」は、「どちらかといえばそう思わない」と「そう思わない」を足した数値が42.7%と非常に高い。このことから、厚生労働省が「ニート」を定義している年齢層(15~34歳)に含まれる年代でニートや引きこもる人への人権に対して、理解や関心が薄いと考えられます。

「そう思う」の回答割合が「家族が高齢者の世話をすることを拒んだり、家族が高齢者を虐待したりすることはいけないことである」では全体83.0%、「18~29歳」が65.5%、「認知症で徘徊する高齢者について、鍵をかけて家から出られないようにすることはいけないことである」では、全体20.7%、「18~29歳」12.5%、「外国人住民に対して、言葉などの問題で日常的に情報が十分伝わらないことはいけないことである」では、全体56.4%、「18~29歳」44.6%、「結婚するとき、相手の身元調査を行うことはいけないことである」では、全体38.7%、「18~29歳」16.4%という結果になりました。

また、「葬式に参列した後は塩で清めないといけない」の設問の回答「そう思わない」は全体71.0%、「18~29歳」55.4%、「故人と親しかった人も連れていかれてしまうので、葬式は友引を避けたり、時間を遅らせないといけない」の設問の回答「そう思わない」は全体49.4%、「18~29歳」39.3%、という結果になりました。

この結果から、「18~29歳」のいわゆる若年層において、「高齢者」、「ニートやひきこもり」、「外国人」、「身元調査」および「穢れや六曜」の人権課題への理解や意識が低いということがわかります。

「あなたは、これまでに自治会の住民学習会や人権啓発活動(人権のつどい、人権フェスタ、人権講演会など)に参加したことがありますか。」では、「1回も参加したことがない」の回答割合が全体25.9%、「18~29歳」78.6%、「30~39歳」68.0%、「40~49歳」38.8%という結果から、若年層は住民学習会や人権講演会などの市が行う人権施策への参加が少ない状況が浮き彫りになりました。

「高齢者」、「ニートやひきこもり」、「外国人」、「身元調査」および「穢れや六曜」の人権課題への理解や意識が低いということを前述しましたが、人権施策への参加が少ない状況を踏まえると「理解できていない」、「意識が低い」のではなく、「知らない」という状態があてはまると考えます。

情報提供不足の人権課題

「結婚するとき、相手の身元調査を行うことはいけないことである」の「どちらともいえない・わからない」の回答割合が9.3%、「同性結婚は禁じられるべきと考えることはいけないことである」は20.9%、「「性同一性障がい」を持つ人とかかわりたくないと思うことはいけないことである」は13.0%、「エイズ患者が就職や職場において不利な扱いを受けることはいけないことである」は10.7%、「認知症で徘徊する高齢者について、鍵をかけて家から出られないようにすることはいけないことである」は19.3%となっています。

「どちらでもない・わからない」の回答割合が多いということは、該当する人権課題に対して、市民への情報が不足している、市等が提供できていないと考えています。

身元調査や同和問題への意識

平成27年度の住民学習会の中で「同和問題をテーマとして扱うと、寝た子を起こすことになるのでしない方がいい」という意見がありました。今回調査でも自由記述の設問で同様の意見が複数見受けられました。

しかしながら、「同和問題の解決に向けて何ができると思いますか」の「同和問題を特別扱いせずに放っておけば自然となくなるので何もしない」と「あなたは、これまでに自治会の住民学習会や人権啓発活動(人権のつどい、人権フェスタ、人権講演会など)に参加したことがありますか。」とのクロス集計で「1回も参加したことがない」27.2%、「1~5回参加したことがある」16.8%、「6~10回参加したことがある」14.3%、「11回以上参加したことがある」9.1%と講演会などの参加が多い人ほど低いことから、講演会や住民学習会などに「同和問題」を定期的に取り組むことで、理解が得られているという結果がでました。

今後の取り組み方針

継続した住民学習による人権啓発

今後も住民学習を市民の人権啓発の柱として取り組んでいきます。テーマ設定にあたっては、兵庫県人権啓発協会と連携しながら、篠山市の人権課題解決に向けた住民学習となるよう努めます。

情報提供による人権啓発

若年層の人権意識高揚やこれらの情報を広く提供するため、市広報やホームページなどを活用して情報提供していきます。

また、女性、高齢者、障がいのある人など、これまでの人権課題に加えて、社会状況等の変化に伴い新たな人権課題も生じてきており、人権講演会ではさまざまな人権課題を取り上げて、市民の人権意識高揚に努めます。

継続した同和問題解決への取り組み

人権講演会などで「同和問題」、「身元調査」をなくす啓発を行うとともに定期的に住民学習のテーマとして取り組みます。

部落差別解消推進法の成立に伴い、「部落差別に関する相談に的確に応ずるための体制の充実(第4条)」を図れるように人権推進課の人権相談員等の研修を行っていきます。

その他

 前回は、10年前の平成18年6月に実施しました。その時の調査結果は次のとおりです。