歯のはなしvol.59 歯の被せ・詰め物の歴史2

更新日:2020年03月24日

 むし歯に詰め物や被せをする際、古い時代は金属で詰めるしかありませんでした。それは、接着させる技術がなく、セメントで合着していたからです。

 1950年ころに、ペンキ職人がペンキを塗る際に、リン酸で塗布面を処理したのを見たことがきっかけで、歯科用のリン酸でエナメル質を酸処理して接着させるシステムが完成され、これにより、歯にコンポジットレジン樹脂という歯の色に近い樹脂を接着させることが可能になったのです。

 当時の接着は不完全なものでしたが、年々改良が加えられ、最初はペーストを練り合わすことで重合する、化学重合(かがくじゅうごう)システムのみだったのが、ある波長の光を照射することにより反応し、接着させることができるようになりました。すなわち、光重合(ひかりじゅうごう)システムの誕生です。

 コンポジットレジン自体にも、年々改良が加えられ、より歯の色に近く、より艶が出るように、レジンの粒子を細かくする技術が発達してきました。今ではナノテクノロジーのおかげで、ミクロンよりさらに細かい単位の粒子で出来ており、歯に自然に詰め物が出来るようになりました。前歯のむし歯はほとんどこのレジンで詰めますが、昔はたとえ小さなむし歯でも、金属で被せにするしかなかったのです。

 このようにして、小さなむし歯ならば、前歯や奥歯の部分を、歯と同じ白い色の詰め物が出来るようになったのです。

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