歯のはなしvol.52 むし歯と砂糖の歴史
人類がまだ天然の木の実や魚、肉などだけを食べていた時代、むし歯はなかったと考えられます。むし歯は砂糖が精製され、世界中に拡がってから人類の口の中に発生し始めました。砂糖は、インドのインダス川流域で最初に作られたといわれています。アレキサンダー大王が紀元前327年インドに遠征した際、サトウキビのことを“蜜蜂の助けを借りないで蜜をもたらす葦がある”と記述しています。
その後紀元400年頃に中国でサトウキビを煮詰めて乾燥した砂糖が作られその後、アラビア人も砂糖の精製技術を会得しました。アラビア人はキプロス、モロッコ、エジプトに砂糖を伝えました。ヨーロッパには、1096年十字軍の遠征のときに十字軍の将兵が持ち帰ったことから広まりました。意外と欧州に伝わったのは遅かったのです。
さらに、1493年コロンブスが第二次航海の際、西インド諸島のヒスパニオラ島にサトウキビを移植、これでアメリカ大陸にも砂糖が伝わりました。さらに1605年フランスの学者がサトウダイコン(テンサイ)から砂糖を精製、ナポレオンがテンサイからの砂糖精製を推奨しました。
さて日本には、唐の僧鑑真が砂糖を持ち込んだとされています。そして、15世紀から茶の湯の発達とともにお茶菓子に砂糖菓子が使われるようになりました。さらに南蛮貿易によりカステラや金平糖が持ち込まれました。しかし、これらは比較的身分の高い貴族、殿様だけに限られ、庶民にむし歯が拡がったのはGHQがチョコレートやガムの味を庶民に教えてしまってからとなります。この頃からむし歯の洪水が始まりました。
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更新日:2020年03月24日