歯のはなしvol.49 フランスの歯科医療制度と医療観光

更新日:2020年03月24日

 フランスの医療保険は、原則日本と同じ国民皆保険制度で、医院でも歯科医院でも、10割実費で払ったのちに7割の償還率がありますがこれは一般歯科治療の場合で、義歯、セラミック歯冠、歯冠補綴の場合は患者の加入している疾病金庫に治療事前申請を行い認可を受ける必要があります。

 しかし、歯冠補綴の場合高額の治療代金になるため、治療代が3分の1ほどで済むハンガリーなどの他国へ医療観光に行く人が増えています。歯冠補綴でフランスで500ユーロ(約68000円)のところがハンガリーで200ユーロ(約27200円)インプラントと被せでフランスで1300ユーロ(約18万円)のところがハンガリーで500ユーロ(約68000円)ほどで済み、なおかつ2国間の取り決めにある額が少額だが償還されることから、何本かまとめて治療するなら、旅行代金と現地滞在費用を合わせてもフランス本国で治療するより安く済むからである。なおかつハンガリーの歯科医師は、フランスの優れた歯科医師が年間100から200本のインプラントを実施するのに対し、1000本から1500本のインプラントを年間に実施する歯科医師もいる。今では、ハンガリーの歯科医師の3分の1ほどが観光客のためだけに歯科治療を実施し、ハンガリーの名物トカイワインについで歯科治療が欧州で有名になつている。

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