歯のはなしvol.47 イタリアの歯科医療制度

 イタリアは、東、西、南を地中海で囲み、北はアルプスを境とする長靴型の国です。イタリア料理や、ブランドが数多くあるファッションの国として有名です。

 イタリアでの歯科治療は保険がききません。したがって100パーセント自己負担です。大体1回あたりの治療額は50から100ユーロですから、日本円に直すと6,700円から14,000円位になります。

 学校での集団歯科検診の制度がありませんから、乳歯が生え変わる頃になると、自己責任で、個人的に歯科医院へ検診に行くことになります。このため、一般の方の6割は、全く歯科検診を受けません。国内では、治療費が高額なため、10人中6人が他の国へ行って歯科治療を受けます。昨年からの世界経済危機も追い打ちをかけ、歯科治療を中断する人も多くなっています。このため、全人口の1割にあたる598万人の方が、歯を1本ももたないといわれています。

 また、2008年にイタリア保健省が1,000件の歯科医院を対象に調査を行った結果、全体の3割にあたる歯科医院で、無資格と知りながらニセ歯科医に診療させ、告訴されて押収された歯科機材は28億円を超えると報告されています。

 ローマの有名なレストランで、ランチをおまかせで頼んだところ、90,000円請求された日本人もいます。イタリア人は陽気で気のいい人が多いですが、自己責任の国ですから、きっちり値段を確認した上でオッケーを出さないといけませんね。