歯のはなしvol.43 イギリスの歯科保険制度
イギリスの歯科保険は、NHS(国民医療サービス)型で、公的扶助があるため、自己負担額は少なくてすみますが、受けられるサービスに限りがあります。また、全ての歯科医院がNHSに加盟しているわけではなく、プライベート(保険外)のみを扱っている歯科医院も多いです。
NHSでは、例えば、歯の詰め物の材質など、低価格ですが、低品質となり、良い材質の詰め物にしたいときは、高価格ではありますが、プライベートの詰め物にした方が良いです。このため、定期健診はNHSで、治療はプライベートでというように、使い分けをする人が大半で、日本のように、低価格で比較的高品質の治療を受けられるような保険制度ではありません。
外科手術が必要な場合では、例えば、親知らずの抜歯をNHSで希望したとき、まず病院に委託書を書いてもらい、数週間から数ヶ月経って初めて手術日の通知があり、もし都合で、その日に行けないとなると、後回しにされ、依頼してから何年も経って(!)ようやく抜いてもらうことができたということがあります。これは、医科の手術でも同じです。プライベートなら早く手術してもらえるのですが、非常に高額です。このため、抜歯を待つことができず、自分で歯を抜いてしまう人や、ハンガリーなど、低価格で治療してもらえる外国に“歯科治療ツアーへ出かける人もいます。
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更新日:2020年03月24日