教324 自然の中の居場所 山の学校30周年(教育長ブログ R4.11.8)

更新日:2022年11月08日

平成5年に宍粟市山崎町に開校した、兵庫県立山の学校創立30周年記念行事が姫路市のホールで開かれたので出席した。山の学校は自然の中でのさまざまな体験活動で生きる力を養い、進路実現を支援する学校だじょう。

 

山の学校は義務教育を修了した15歳から23歳までの男子が1年間の全寮生活を送る(土日は帰省)。定員は20名で、これまで364名が巣立ったが、近年は10名以下が続いているらしい。

 

豊かな自然の中で、森林学習・森林実習や木工・畑作業・地域交流などの体験活動を行うが、単に林業関係従事者を育成するというだけでなく、自然を生かした学びの場でたくましく生きる力を培い、兵庫の未来を拓く心豊かな青少年を育成することを目指している。

近年全国的に不登校の児童生徒が増えており、特に昨年は小中で24万人余(前年は19万余)が年間30日以上欠席しており、9年連続の増加で過去最多となった。

 

県はこのような学校へ行くことに悩む小・中・若者が様々な体験活動を通して自らの進路を具体的にとらえ、将来的な社会的自立につながる居場所として、「但馬やまびこの郷」「神出学園」「山の学校」の3施設を設置している。

 

本市においても不登校生は増加傾向にあり、その支援が重要な課題となっている。どうしても学校がしんどい子どもたちには、学校による支援はもちろん、市適応指導教室「ゆめハウス」や民間のフリースクール、通信制学校などいろいろな居場所があるが、市外にも今回紹介した施設も含めていろいろとある。自分に合った学びの場を見つけてほしい。


 

教育長が会場で出会った山の学校生(16歳)は次のような話をしてくれた。

「現在学校には寮生5名とチャレンジ生(在校期間自由の39歳までの県内在住者)1名が在籍している」

「自分は小学校の時学校に行けなくなって、中学校は部活があったから何とか行けたけど、卒業と同時にしんどくなった。今は通信制の高校に行きながら山の学校へ行って、元気になってきた。卒業後は通信制高校卒業を頑張る」

教育長が、「おっちゃんは以前に通信制高校や神出学園に勤めてたけど、いろんな生徒がいて、多くの子はそこで学んで元気になっていった。人生は人それぞれ、焦ることなく自分の人生を歩んで行ってほしい。まずは通信制高校卒業がんばってや」と話すと、元気に「はい」と返事を返してくれた。

山の学校1
山の学校30周年2代校長あいさつ