教535 へき地校に大勢の先生が 全国へき地大会分科会(教育長ブログR5.10.18)

更新日:2023年10月18日

第72回『全国へき地教育研究大会兵庫大会』第2日の分科会が、兵庫県内7会場で行われたが、教育長は隣の三田市立母子(もうし)小学校の公開授業「子どもの深い学びをめざしたつなぐ力の育成~子どもがつくる算数科学習を通して~」に参加した。母子小学校体育館に設定された教室にみたてた空間に座った4人(2校時は5人)の児童を、全国各地から来た先生方が取り囲んだ。大勢の参観者を前に、子どもたちは臆することなく自分の考えを言ったり、質問したりしていたじょう(~「じょう」は丹波篠山の方言を使っています)。

 

母子小学校はへき地1級指定を受けている学校で、三田市の中心部から(丹波篠山市役所からも)車で約30分走った山間部にある。今年で創立150周年を迎える歴史ある学校だが、児童数の減少により市内全域から入学できる「小規模特認校」制度を平成24年度より導入している。

 

現在全校生は14人(特認校児童9人、地元児童5人)で完全複式学級となっているが、児童減少については将来的にさらに厳しい状況が予想されるらしい。丹波篠山市においても、小規模特認校制度を検討せよという声はあるが、小規模特認校を採用したら自動的に児童数が増えるということではなさそうだ。

 

2校時の5・6年複式学級の算数の授業では、児童のガイド(司会)を中心に授業が進められ「ガイド学習」、一人の先生が同時に2学年の学習を見て、効果的な評価、支援を行っていた。児童が主体的に学習を進めるので、先生は教室の中央の位置にいて必要な時にどちらの学年の指導もできる。5年生の児童は1名なので、別の先生が児童役「共同学習者」として入っていた。母子小学校の授業の進め方には、いろいろ工夫があってとても参考になる。

 

子どもたちの理解度は高く、互いの質問にも的確に答えていた(足りない時には先生が補足)。何よりも、この大勢の中で堂々と自分の意見が言え、ホワイトボードに書いたり、ノートをとったり、普段の授業どおり(多分)の行動ができる度胸がある。へき地でも少人数でも、工夫次第で子どもは大きく成長する生きた例を見せてもらった。


 

丹波篠山市でも、少人数・複式の学級は増えていく傾向にあるが、今回の母子小学校の実践を参考に、母子小学校と同様に地域の協力も得ながら、少人数・複式を活かした教育を進めて行き、そのエッセンスを他の小中特別支援学校にも広げていきたい。公開授業ありがとうございました。

母子小学校1
母子小学校2
母子小学校3
母子小学校4