教553 社会科はおもしろい 兵庫県中学校社会科研究大会(教育長ブログR5.11.20)

更新日:2023年11月20日

第57回兵庫県中学校教育研究会社会科教育研究大会丹有大会が丹波市立山南住民センターや丹波市立山南中学校で開催され、県下各地の中学校社会科教員が丹波市に集まった。元社会科教員(高校ですけど)だった教育長は公開授業から参加し、久しぶりの50分間社会科授業(学校訪問ではいろんな授業を短時間見て回ります)に、「やっぱり社会科はおもしろい」という気持ちが強まったじょう(~「じょう」は丹波篠山の方言を使っています)。

 

教育長が参観したのは、統合1年目の丹波市立山南中学校新校舎で行われた第3学年社会科(公民的分野)の『くらしを支える地方自治』単元の中の「魅力ある丹波市にするには、どうしたらよいだろう」という授業。

 

授業前の休み時間には隣のクラスの中3生何人かが、「僕たちがこの中学校の最初の卒業生になるのは嬉しいです」「江戸幕府の三代将軍は誰ですか」等と話しかけてきた。初対面の人に「なぜ将軍名を聞くのかな」と不可解だったが、別れ際には「社会科の県大会がんばってください」と激励してくれたので、今日集まっているのが社会科の先生だと知ってのことだったようだ。「3代将軍は家光やろ」と答えて何とか面目を保った教育長だが、見知らぬ人にも気さくに話しかけてくる丹波市の子どもたちの、本市と変わらぬ人懐っこさ・素直さが嬉しかった。

 

授業は、班に分かれて班長が自分たちが考えた「市の人口減少を打破する魅力化策」を発表し、それを聞いた人の意見を受けて自分の意見を再検討し、その再検討案をみんなの前で発表する。それを聞いて各自が自分がこの授業で気づいたことをまとめ、ペアで意見交換する、といった形で進められた。

 

これは最近大切にされている、主体的・対話的で深い授業展開だ。この授業をした先生は、授業中の巡回中にも「ナイスアイディア」「いいね」「それいい表現だね」「オッケー」等と声をかけて回っていた。なかなかの授業力と感じた。

 

子どもたち同士のやりとりも面白かった。「若い人が来ないなら、第2子以降の保育料を無償化したらいいねん」→「第一子は無償化しないの」→「そうか、それじゃ第一子も半額にする」→「お金はどうするの」→「お金はかかるけど、この分野にお金を使うのは(人口減少を防ぐには)大事なことや」

 

「道の駅や柏原駅などに特産物を使ったお土産を置く」「バスや電車をラッピングして本数を増やす」「三木ホースランドパークや東条のおもちゃ王国のようなテーマパークをつくる」→「どこにつくる」→「氷上はお店が多いし、青垣は冬雪が多いから、山南が良い」

 

あんまり子どもたちのやりとりが面白いので、つい教育長が「山南のどこにつくるの」と言葉をかけると、「山林を切り拓いたら良い」「木を使ったアスレチックも作れる」。また「山南には『恐竜の館』があるんと違うの」とつっこむと、「あれ、テーマパークやった」。

 

授業参観者が授業中の子どもに話しかけてはいけませんね。でも、あんまり子どもたちが自然体で話していて余所者も受け入れる温かさがあったので、つい最後のペアトークで「観光客も大事やけど、住民が喜ぶまちづくりが大事」と発言した生徒にも、「君の言う通り。そこに住んでいる人が大切やものね」とほめ言葉を掛けてしまいました。本当にすみません。

 

公開授業後の全体会では、丹有地区の社会科部会長が、「丹有地区社会科部会では、丹波市、丹波篠山市、三田市各市で実施する授業研究を全体に公開し、三市で成果と課題を共有して歩みを進めてきた。今大会では研究主題を『主体的・対話的で深い学びにつながる社会科授業』と設定し、ICT機器を活用した授業を実践する中で、どのようにすれば主体的な学習を展開できるかについて研究を進めて行く」と話され、来賓紹介で教育長は「私も元社会科教員だったので、社会科教育の充実を激励したいと思い、教育長エールを送ります」と、いつもの「みんなで力を合わせて、兵庫県の社会科教育盛り上げていくぞー」「オー」をやらせてもらった。


 

「やっぱり社会はおもしろい」(楽しいし興味深いし、学びや気づきが多いという意味)、「丹波地域の生徒は温かく人懐っこい」と思わされた研究会だった。この気づきを今後の教育に活かしていきます。

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