教571 どれも大切なテーマ 市議会一般質問 第2日(教育長ブログR5.12.15)

更新日:2023年12月15日

第124回丹波篠山市議会師走会議の一般質問の第2日目も、5名の議員がそれぞれの分野で大切なテーマについて熱く語られた。2日目も、教育以外では人口減少・地域医療・観光・休日診療・高齢者支援・デマンドタクシー・農業担い手支援等の質問があった。教育分野では、「子どもたちに多様な学びの場を」として以下のような質問があり、記載のように答弁したが、再質問でさらに教育長の思いが問われ、普段から思っている心情を心を込めて話したじょう(~「じょう」は丹波篠山の方言を使っています)。
 

 

2日目の教育委員会への質問は主に一人の方で、不登校支援をしっかりとやってほしいということを熱い思いを込めて質問された。不登校支援について語った教育長の思いは次の通りです(一日目の質問と重なる部分もあります)。

・不登校の子どもたちの支援で一番大事なことは、子どもたちの置かれた状況にあった居場所や学びの場があること。不登校の原因は様々で、子どもたちの個性も様々なので、一人ひとりの子どもが安心できる多様な居場所(できれば家庭以外の)があることが重要。

・その居場所で心が落ち着き、エネルギーがたまれば、子どもたちは動き出す(他の人がいる場、学校内の部屋、教室復帰等)。子どもたちが自分で動き出す前に、無理にせかしたり焦らせたりすると事態が悪化する(自室への引きこもりなど)。

・学校は知識理解以外にも多くのことが学べる(人間関係、コミュニケーション等)場なので、できれば学校職員は子どもたちが不登校になる前に、未然防止(居心地よく魅力がある学校・クラスづくり等)や早期発見・早期対応を心掛けなければならない。

 

 ※教育長は、不登校の子どもたち(不登校でない全ての子どもたちも含めて)に元気で楽しく友だちと一緒に学校生活を送ってほしいという思いは強く持っていて、つい力が入りすぎて答弁に大きなジェスチャーがついてしまった。熱い心と同時に冷静な思考や落ち着いた態度も必要なので、答弁にも冷静さを心掛けます。

 

【通告番号】個-8 向井 千尋 議員

【質問事項1】子どもたちに多様な学びの場を

2.子どもたちをめぐる現状

3.多様な学びの場や安心できる居場所づくりを

【質問主旨】

・本市の小中学校における長期欠席児童生徒の現状・課題及び取り組み状況は。

生徒や保護者への相談支援の状況は。

・スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの取り組み状況は。

・適応指導教室「ゆめハウス」についての現状と課題、取り組みは。

学校の中に安心できる居場所を創ることが必要と考えるが、どうか。

フリースクール利用児童生徒支援補助金を検討してはどうか。

 

【教育長答弁】

質問事項1「子どもたちに多様な学びの場を」について、お答えします。

まずは、「本市の小中学校における長期欠席児童生徒の現状と課題、取り組み」について、お答えします。

まず長期欠席児童生徒については、30日以上欠席したすべての児童生徒が含まれるため、病気で入院している、在籍はしているが外国に住んでいるなど様々なケースもあります。ここでは、不登校と考えられる児童生徒に絞ってお答えします。

丹波篠山市の不登校の児童生徒は、令和4年度末で小学生は26人、中学生は75人となっており、前年と比べて、小学校は2人、中学校は22人増加し、全国的な傾向と同様で増加傾向にあります。また、不登校になる要因は、無気力・不安、生活リズムの乱れ、友人関係をめぐる問題などさまざまであり、それらが複合的に作用していると考えられます。また、欠席が30日程度の児童生徒から、欠席が100日を超える児童生徒など状況は様々です。

課題としては、一人一人の不登校の要因が様々であり、生活リズムを戻したり、人間関係を再構築していくには時間がかかることが挙げられます。また、学校復帰できた場合でもそのきっかけは多様であり、どのような支援が効果的なのかも一人一人異なります。

そのような中で、丹波篠山市としては、適応指導教室の設置やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置、小中連携事業として「ユニバーサルな学校づくり」の推進、不登校に関連した研修等を行っています。今年度より不登校・問題行動対策連絡協議会を設置して市内の不登校の状況について情報交換したり、対応策を検討したりしています。

 

続きまして、「生徒や保護者への相談支援の状況」について、お答えします。

不登校の児童生徒や保護者に対しては、本人と保護者の思いを最優先にして、相談に乗ったり、支援体制を構築したりしています。必要に応じて、スクールカウンセラーとの面談を設定したり、適応指導教室や民間のフリースクールを紹介したりすることも行っています。

 

続きまして、「スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの取り組み状況」について、お答えします。

スクールカウンセラーは、7校に配置しており、それ以外の学校には市独自のスクールカウンセラー3名が巡回しています。児童生徒や保護者からの面談の希望は多く、悩みの解決や心の安定に寄与しています。スクールソーシャルワーカーは、ケース会議を通じて児童生徒を取り巻く環境の調整を図ることで登校しやすい環境づくりを行います。実際に環境調整が効果を発揮して登校できるようになった児童生徒もおり、不登校の未然防止にもつながっていると考えています。

 

続きまして、「適応指導教室「ゆめハウス」についての現状と課題、取り組み」について、お答えします。

丹波篠山市の適応指導教室「ゆめハウス」には、現在、小学生9名、中学生8名が利用しており、児童生徒支援指導員3名が指導支援を行っています。児童生徒の思いや考えを尊重して活動計画を立てており、卓球やバトミントン、バスケットボールなどのスポーツをしたり、パソコンでの学習、基礎基本の復習をしたりと様々です。加えて、定期的に講師を招聘して、調理実習や科学実験教室、プログラミング教室などを実施しています。

課題としては、ゆめハウスのある西紀支所から離れた地域に住んでいる児童生徒は送迎に時間がかかること、近年、小学生の利用が増え、個別対応がより必要になり、スタッフの手が回りにくい状況になっていること、一人一人の困り感に対して専門的な対応が必要となる場合があるということです。

成果としては、対人関係をうまく作ることができない子が小集団の中で過ごすうちに他者との関係性を築けるようになってきたり、学校に通いながら必要に応じてゆめハウスを利用することで、本人の気持ちの安定につながっていることです。

 

続きまして、「学校の中に安心できる居場所を創ること」について、お答えします。

議員ご提案のとおり、その必要性を感じております。実際に、篠山中学校には、校内に適応指導教室があり、スタッフも常駐しています。他校についても、児童生徒の状況に応じて、保健室や校長室、空き教室を利用して登校しにくい子や教室に入りにくい子の居場所を作っている学校もあります。ただし、この場合は校長や養護教諭がいつも対応できるわけではなく、他の職員も授業等があり、常に支援の必要な児童生徒に対応できる状況ではありません。今後は、児童生徒が安心して過ごせる居場所を作るうえで、国や県の動向も踏まえ、職員の配置を含めた体制作りを検討していきたいと考えています。

 

最後に、「フリースクール利用児童生徒支援補助金の創設」について、お答えします。

フリースクールは、不登校児童生徒の学校以外の居場所として大きな役割を担っていると認識しています。また、フリースクールを利用するにあたり保護者に一定経済的な負担が生じていることも承知しています。

議員のご指摘の通り、全国にはフリースクールを利用している児童生徒の保護者に対して補助金制度を実施している自治体もあります。丹波篠山市として「指導要録上出席扱いとすることのできる不登校児童生徒を対象とした民間通所施設」と認定したフリースクールとの連携や支援について検討していきたいと考えております。

 

師走会議二日目5
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