教462 熱い思い 市議会水無月会議一般質問3(教育長ブログR5.6.27)

更新日:2023年06月27日

第124回丹波篠山市議会水無月会議の一般質問のうち、教育委員会に関係する質問と答弁の概要をお知らせしていますが(今回で3回目)、全体を通して議員と執行部(市長・教育長・各部長等)のやり取りの中で、まちづくり・地域の活性化に行政(市職員)がどこまで、どのように関わるかが大きなテーマのように感じたじょう。

 

(問)1重伝建全国大会の総括について、2今回得られた丹波篠山市への興味、関心や地域との関わりを今後どのように生かしていくのか。

(答)篠山・福住両地区とも、保存会、ヘリテージマネージャー、ボランティアガイド、子どもたち、そして多くの住民が力を一つにして頑張り、大変充実した3日間でした。丹波篠山市の歴史文化、特産品、自然そしてあたたかい心のこもったおもてなしを通して丹波篠山市の魅力を内外に発信できたと思っています。文化庁からは「近年の大会の中でもダントツに素晴らしい研修会であった」「みんなが楽しそうに取り組んでいる姿を見て伝建制度の原点を見たような気がしている」という非常にうれしいい感想をいただいています。

私たちは、今回の大会で多くのことを得ました。関わった住民、関係者は改めて身近にある丹波篠山の魅力を再発見し、それが丹波篠山市に住むことの誇りへとつながったと思います。また、大会を通して行政・住民・関係者の相互の繋がりが深まったこと、そしてそのことにより地域の活動がさらに活性化するということを実感しました。

うまれた絆や関係性、意欲・達成感・自信・つながりを活かし、地域の活性化に向けて取り組んでいきたい。

 

(問)市内には100を超える山城跡があるが、地元の関心も薄れ、樹木に吞み込まれ誰も山に入らなくなっている。ふるさと丹波篠山の更なる魅力向上に向けて、山城跡を残すことはできないか。

(答)山城を残すためには、まず土地所有者や地元の方々の協力が不可欠であり、協力を得たうえで、人材育成や啓発、情報発信などに取り組む必要があります。

平成23年度から教育委員会では、「地域の歴史文化を活かしたまちづくり」に取り組む地域団体に対して支援を実施しています。これまで、「丹波篠山ひなまつり」や「篠山まちなみアートフェスティバル」などに活用いただいた実績がありますが、今後は、山城の説明看板作成や勉強会等の事業にもぜひ活用いただきたいと考えています。

一方で丹波篠山市の山城の現状を考えますと、山城の多くは山頂部付近にあり、基本的に里山の再生や森づくりの観点から保全に努めることも重要であると考えており、今後も地元関係者、関係部局とも連携しながらワクワクする戦国ロマンの継承を支援していきたいと考えています。

 

(問)丹波篠山国際博に向け、段差の大きい武家屋敷、凸凹が激しく急こう配な篠山城跡への石畳について、身体に障がいがある当事者の視点からの配慮が必要と考える。

(答)武家屋敷の段差について、安間家史料館は、車いすで建物に入るには約20センチの敷居が妨げとなっていますが、指定文化財であるため、基本的に建物を改変することは難しい状況です。そのため車いすの方については、南通路を抜けて中庭から建物内部を見学いただくよう史料館の職員がサポートに努めています。

次に、篠山城跡の登城口の石畳の凸凹(でこぼこ)について、近隣のお城について調べたところ、国宝姫路城や彦根城においても、文化財保護の観点から改編が難しく、車いすでの入場はできないのが現状です。篠山城跡は、遺構保護と歴史景観上の観点から石畳が施工された経緯があり、一定の配慮はしているものの完全なバリアフリーとは言えない状況です。現在、障がいがある方への対応として、登城口のインターホンから呼び出しがあると大書院の職員が降りて行き石畳を安全に上り下りできるようサポートを行っています。大書院内は車いすでの見学が可能となっていますので、より安全で快適に見学いただけるよう努めていきます。

(以下は心の中で)障がい者、高齢者、子育て世代等にやさしいまちづくりは、誰にとっても居心地の良い環境づくりにつながる。歴史史料(施設)見学についても、文化財保護の観点は大事にしながらも、いろんな立場の人に配慮した改善に努め、全ての人にとって居心地の良い環境づくりをめざしたい。

 

(問)伝統的建造物群保存地区の防火対策及び他の保存地区の対策事例について

(答)丹波篠山市内には篠山地区と福住地区、2カ所の保存地区があります。 伝建地区は、木造家屋が多く、密集するところもあり、これらがそのまま地区住民の生活の場でもあります。このため、火災や地震、風水害などの災害から地区を守るため、地区毎に策定された防災計画に基づき防災機能の充実を図っています。

篠山地区では平成20年、福住地区では平成27年に防災計画を策定しています。伝健地区における防災計画には、「地域住民の防災意識向上」、「地区の防災力の向上」、そして「建物の防災力向上」の3つの柱があります。

防災計画策定以降は毎年、教育委員会が両保存地区に委託し、保存地区内の消火設備の点検と同時に屋外消火器や消火設備の更新などを行っています。住民で構成される保存会が主体となり、自ら消火設備を点検・整備することで地域住民の防災意識の向上を図っています。

両地区とも、初期消火を重視し、防火訓練を定期的に実施しています。

令和2年11月、篠山まちなみ保存会では、主体的に災害対策研究委員会を立ち上げ、災害発生時の課題を抽出し、災害時の対応や防災対策を研究されました。その結果、防火バケツを設置やくみ上げポンプの再生などの取組を進めています。また、福住地区では、昨年10月、住民約90名が参加し、火災初動から鎮火までの訓練を実施するなど、地区の防災力向上を図っています。

さらに伝建地区では、建物の保存修理の際、伝統的な漆喰壁や土壁に復元を行っており、伝統的な工法で復元することも建物の防災力向上につながっています。

次に、他の保存地区の対策事例として、金沢市の東山ひがし地区や主計町(かぞえまち)地区において、火災が発生した家屋だけでなく、近隣の住宅が火災発生を知ることのできる消防設備「無線連動型住宅用火災警報器」の導入事例があります。金沢市の場合、約4棟の建物で1つのグループとして連動を行っていますが、誤作動などの課題もあるとのことです。最近は火災報知器などにおいても目まぐるしい技術の進歩がありますので、こうした他地区の先進事例を参考にしながら今後も調査研究を進め、防火・防災対策を推進していきたい。


 

☆今回の一般質問を通して議員の皆さんより頂いた貴重なご意見や熱い思いを重く受け止め、現場の意見も聞きながら状況の改善に努めていきます。ご質問ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

議会3日目1
議会3日目

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