教495 昔取った杵柄 古文書調査合宿(教育長ブログR5.8.15)
丹波篠山市史編さん近世編専門部会による古文書調査合宿が丹波篠山市立中央図書館で行われたので、その様子を見に行った。近世編専門部会委員の先生と一緒に、大学生や大学院生の学生も参加していた。教育長は、実際の江戸時代の古文書を前に、崩し字を読みながら整理する姿を目の当たりにして、かつて古文書解読にいそしんだ日々を思い出したじょう(~「じょう」は丹波篠山の方言を使ってます)。
今回の古文書調査合宿では、青山歴史村に所蔵されている藩政史料の内、日記史料の整理調査を行う。古文書の中には虫にかじられているもの、引っ付いてしまっていて頁がめくれないものもある。それをヘラとか刷毛を使いながら、読み解き、整理していく。
一般の人には読みにくい古文書だが、江戸時代を通じて同じ書体で崩してあるので、一度読めるようになると他の古文書も読めるようになる。公的な文書の様式や文体も基本形は決まっているので、これも慣れてしまえばとっつきやすい。
とは言え、基本筆で手書きの文字は、書き手の癖があったり、同じ文字でも崩し方が何通りもあるものもあり、なかなか判読が難しい場合もある。
高校で日本史を教えながら古文書が読めなかった教育長は、30歳代の時に教職員大学院で学ぶ機会を得て、2年間古文書浸けの学生生活を送った。最初は全く読めなかった文字が、少しづつ読めるようになった感動は今も忘れられない。これまで文字に起こされていない史料を使って、修士論文も書くことができた。
今回学生が読んでいる古文書を一緒に見ながら、「これは『右衛門』ですかね」「こちらは『兵衛』ですかね」とか口をはさんでいると、指導の先生から「そう読めますね」とか言ってもらい、昔取った杵柄が発揮できる幸せな時間を過ごすことができた。
「どこから来たんですか」「奈良です」「神戸です」。「専攻は何ですか」「古代です」「中世です」。「これから進路はどうするの」「大学院へ行きたいです」「大学で研究を続けたいです」。「丹波篠山って良いとこですね」「無電柱化の進んだ篠山城跡周辺も見て帰ってくださいよ」等と学生の皆さんとの話題も弾み、楽しい時間を過ごすことができた(作業の邪魔になっていなければいいのですが)。
今回の古文書合宿のように、市内外の専門家、学生等の若い力、幅広い年齢層の歴史愛好家等の力を結集して、史料整理・調査と丹波篠山市史編さん事業を進めていきたい。
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更新日:2023年08月15日