教513 これぞ自由研究 八上小学校夏の探究学習発表会(教育長ブログR5.9.8)
丹波篠山市立八上小学校でユニークな夏休みの課題の発表会があると聞いて教室を訪問してみると、たてわり班で6年生が司会進行して進める素晴らしい発表の様子を見ることができた。課題自体も子どもたちが自分で決めることができ、その内容も多岐に渡りこれぞ自由研究と言える、自由で主体的・探究的な学びがそこにあったじょう(~「じょう」は丹波篠山の方言を使っています)。
教育長は夏休みの課題発表(探究学習発表)と聞いて、てっきり体育館(講堂)で全体で行われるものと思っていたら、1年生から6年生までがたてわり班で6つに分かれて、各教室で行われた。
夏休みの課題と言えば、いくら「自由研究」という名前であっても、学年ごとに絵画作品や書写、読書感想文や工作などいくらかの制約があるものと思っていたら、それもなくまったく自由だというのにも驚いた。
子どもたちが自分の興味関心に応じて(自分の未来を見据えて課題を選ぼうという指導があるクラスもあり)、その内容やまとめ方、どれだけやるかも含めて自分で決める。ただ決まっているのは、この日に発表があるということだけ。
従来の発想と違う思い切った課題の出し方だと思うが、発表の様子を見てみると、これこそ本市がめざす「主体的で対話的で深い(深さは人によって違いますけど)学び」になっており、各自の個性を尊重した協働的な学びの場面も見られた。
先ず6年生が、「今から夏の探究学習発表会をします。後で感想も出してください」と言って始まり、6年生から順に発表していった。教育長が参観した1班の内容を見て見ると、
「狐の嫁入り」と言われる気象現象の研究、「バスケットボールのルールについて」、「歴史年表」の作成、「海で拾ってきたもの」の研究、家にあった古い書物を使った「第2次世界大戦」の研究、「僕は漢字をひたすら書いてきました」、「メダカの卵を孵化させること」(写真あり)、手作り「サッカーゲーム盤」、習字(タブレットで写真を撮って来てスクリーンに映す)、とかげの工作・・・など、
実に多彩で、発表もタブレットのメモを見ながらの人もいるなど各自の個性満載。
低学年の中には人前で発表するのが苦手な子もいて、そういう子には6年生が励ましたり、発表の手助けをしたりしていた。他の班では6年生の発案で対面での発表を止めて、みんなが輪になって座り発表しやすい環境に変えたクラスもあったようだ。発表が終わった後、6年生がリードして交流(ゲームなど)などを行う班もあった。
今回の発表会の素晴らしさをまとめると、
・子どもたちが本当に自分がやりたいことを選んでいる(ので、実に研究の中身が多様)→子どもの主体性の育成
・自分がやった内容に自信と満足感を持っている子が多い→自己肯定感・自信の育成
・上級生(6年生)のやさしさとリーダーシップ→上級生へのあこがれと異学年交流による学び
・意見や感想の交流→対話的な学びとコミュニケーションの育成
など。
一言で言うと、「これぞ自由研究」「これから目指すべき学び」ということだ。
更新日:2023年09月08日