教1073 貴重なご意見いただきました2 市議会弥生会議一般質問(教育長ブログR8.3.13)
第126回丹波篠山市議会弥生会議の一般質問があり、市政や教育行政に多くの議員の皆様から、質問や提言をいただきました。
以下は、教育委員会(教育長)にいただいた質問とそれへの答弁の主なものです。
いただいたご意見は、これからの施策に活かしていきたいじょう(~「じょう」は丹波篠山の方言を使っています)。
個人 3番 岡 圭子 議員
【質問事項1】子どもの学びと評価のあり方に改革を
【質問主旨】
・現行の通知表及びテストによる評価方法が、子どもの主体性、学習意欲、自己肯定感の向上に、どのように効果があると考えられているか。
・通知表及び評価資料作成に係る教職員の負担について、どのように把握されているか。
・現行の評価制度に対する保護者の意向は、どのように把握されているか。
・子どもたちの通知表や単元テスト廃止を導入してはどうか。
【教育長答弁】
質問事項1「子どもの学びと評価のあり方に改革を」について、お答えします。
通知表や小学校における単元テスト、中学校における定期考査については、子どもたちの学習到達度を把握し、学びを振り返るための重要な手立てであると認識しています。
評価結果は、子どもたちが自らの得意や課題を客観的に見つめ、次の目標を設定する「きっかけ」として、主体的な学びを支える役割を果たしています。また、点数のみならず、努力の過程や伸びを示す所見を通じて、学習意欲の向上や自己肯定感の醸成につながるよう努めています。
自己肯定感については、児童生徒への調査において、「自分にはよいところがある」と回答した割合が全国平均を上回る等、一定の成果が表れています。あわせて、振り返りカードといった自己評価の導入等、子どもが自ら学びを調整する取り組みも進めています。
次に、通知表及び評価資料作成に係る教職員の負担については、これまでも手書きからデジタル化への移行をはじめ、業務負担の軽減を図ってきました。令和6年度からは、校務支援システムを導入し、成績処理や指導要録等の連動による事務負担の軽減を図っています。また、観点別評価の充実や教育内容の多様化に伴い、複雑化していた評価業務についても見直しを図っています。今後も、現場の声を丁寧に聞きながら、業務の効率化と教育の質の向上を両立させていきます。
次に、現行の評価制度に対する保護者の意向については、学校評価や懇談等を通じて意向を掴み、ご理解をいただいています。評価のあり方については、引き続き、丁寧な説明と対話を重ね、信頼関係のもとで評価のあり方を共有していきます。
最後に、通知表や単元テストの廃止については、慎重な検討が必要と考えています。通知表や単元テストは、子どもたちの学習到達度を把握し、学びを振り返るための重要な手立てであると同時に、子どもたちが自らの得意や課題を客観的に見つめ、主体的な学びを支える役割も果たしています。通知表や単元テストの廃止により、結果へのプレッシャーは軽減するかもしれませんが、自分の到達度がわからないことで、学びの意欲をなくす心配もあります。
学習評価には「指導と評価の一体化」が大前提にあります。「指導と評価の一体化」とは、学習指導と学習評価を別々に行うのではなく、目標に基づき授業中の観察や記録を通して、児童生徒の学びを把握し、成績をつけるためではなく、その評価を次の指導改善に生かすものです。これまでから、単に点数や結果だけにとらわれないように、子どもたち一人一人のがんばりや努力、発言、レポート、取り組みの様子、本人の振り返り等を通じ、様々な機会に伝えていくように心がけています。
議員ご指摘の通り、教育とは、子どもの可能性を伸ばすための営みです。その可能性を最大限に伸ばすために、今後も、様々な評価方法の充実を図りながら、子ども一人一人の成長を丁寧に見取る評価を着実に進めていきたいと考えています。
(再質問)学校を訪問した時に、授業中でもウロウロしている子や寝そべっている子がいた。不登校もいる。(従来通りの学校ではなく)通知表やテストを無くす等の新しい学校をつくっていかなければならないのではないか。
多様な子どもが増えている中、一人一人に寄り添う教育を大事にし、柔軟に学校を運営しています。一律的な宿題を止めて、子どもが自分でやることを決めている学校もあれば、マラソン大会をタイムや順位を目指す従来型の「レース方式」と走ることを楽しむ「ファンラン」とを選べるように変えた学校(味間小)もあります。子ども一人一人の個性を大事にするのと同じく、各学校(各校長)のやり方を尊重しています。通知表・テストをやめる校長がいても、その選択を尊重していきたいと思います。
不登校への対応にしても、「子ども・家庭とつながっておくことを大事に」ということは市全体で共有しているが、そのやり方は各学校に任せています。不登校は令和8年2月段階で小学校27人、中学校77人だが、(昨年同期より)減ってきています。本市では、「学校へ行くのが楽しい」という子どもは8割から9割いる(R7全国調査での市内小中学校の割合:小86.5パーセント、中89.8パーセント)。子どもを管理するのではなく、一人一人の主体性を大切にする学び・学校をつくっています。
個人 6番 前田 えり子 議員
【質問事項1】子どもも親も安心できる不登校支援を
【質問主旨】
・国の不登校対策は、学習活動への支援が中心で、社会的自立へのリスクと捉えていて、心の傷が軽視されているが、どう考えるか。
・子どもは「登校強制・登校刺激/望まぬ干渉・接触」が嫌だと考えている。「不登校を認められる・理解される」ことがうれしかったと考えている。どう考えているか。
・フリースクール等民間通所施設とそこに通う児童生徒保護者に対する財政的な支援を市として挙げているが、親への支援は、どう取り組んでいるか。
・子どもが行きづらいのは、先生との関係、授業が合わない。学校システムなどから学校が嫌いだからである。競争や管理ではなく、子どもが通いたくなるような学校にしていくことが大切ではないか。
・不登校を生み出している教育政策そのものの改革が必要だと考えるが、教育長の見解は。
【教育長答弁】
質問事項1「子どもも親も安心できる不登校支援を」について、お答えします。
丹波篠山市では、不登校児童生徒に対して「学校への登校」という結果のみを目標とせず、個々の状況に応じた「社会的自立への支援」を目標として掲げています。学習支援のみに偏るのではなく、「思いに寄り添う」「信頼関係を築く」ことを重視しており、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーと連携し、子どもの心の状況を把握した組織的な対応を行っています。
また、登校刺激と子ども理解については、すべての子どもが「安全・安心」に過ごせる環境づくりを最優先しています。多様性を認め合い、「一人ひとりに居場所がある学校・学級づくり」を目指しています。例えば、スクールソーシャルワーカーが、子どもたちに「悩みを持つことは悪いことではない」「人に話すことにハードルがないように」と伝える出前授業を実施し、SOSを出しやすい雰囲気づくりに努め、相談のハードルを下げるように取り組んでいます。教室に入れない場合は、校内サポートルームや教育支援センター「ゆめハウス」等、自分のペースで活動できる場との連携を強化しています。
保護者に対しても、多面的な支援に取り組んでいます。スクールカウンセラーによる保護者へのカウンセリングを実施したり、家庭訪問等を通じた保護者の不安に寄り添った対応を心がけたり、教育支援センター「ゆめハウス」において、子どもだけでなく、その保護者への相談活動も行ったりしています。
最後に、子どもが通いたくなるような学校にしていくために、「魅力ある学校づくり」として、多様性を認め、誰もが安心して通える学校づくりを大前提として取り組んでいます。
授業のあり方としては、従来の一斉授業や知識習得中心の形態から脱却し、一人一人が自分のペースに合わせて学習したり、友だちと教え合い助け合う「学び合い」を導入したりすることで、「おもしろい」「わかる」と実感できる授業づくりを進めています。
「多様性を認めあえる教室」を前提とし、例えば、校則の見直しを図る等、画一的なルールではなく、一人ひとりの自己存在感を感じられる教育に取り組んでいます。
学校の役割として、学校を、単なる知識学習の場ではなく、安全・安心な居場所があり、「一人一人が個性を発揮できる場」へと充実させていく方針です。
このように、不登校を個人の問題とするのではなく、学校側が「行きたいと思える」場所へと変わるための、授業改善や組織体制の変革に取り組んでいます。さらに、教員の多忙化解消にも取り組み、部活動の地域展開の推進や校務支援システムの導入、学校行事や教育課程の工夫も行っています。このような形で、「学校に登校する」ことだけを目的とするのではなく、子どもたちの将来を見据え、社会的自立に向けた力を育む学校づくりを進めています。
今後も、教育方針で申し上げた通り、「何よりもすべての子どもが安心して学べ、行きたいと思える楽しい学校園」をつくっていきます。
(再質問)全国的に不登校が増えているのは学校の管理化があるのではないか。不登校には親の支援が大事であると考えるが。
教育方針でも言っているように、丹波篠山市では「子どもが行きたいと思える楽しい学校」づくりを大事にし、柔軟な学校運営を行っています。私(教育長)も県立のフリースクールに勤めた経験があり、親が心理的に安定すれば子どもが動き出す事例も見てきました。親の支援については、学校・福祉・スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー等や親の会等、その子どもや家庭の実態にあった形で支援していきたいと考えています。丹波地域で「不登校親の会」を開いておられる方も知っているので、そうした親の会も紹介しながら、一人一人の子どもや家庭とつながり、実態に応じた丁寧な支援をしていきます。











更新日:2026年03月13日