教1074 貴重なご意見いただきました3 市議会弥生会議一般質問(教育長ブログR8.3.16)

更新日:2026年03月16日

第126回丹波篠山市議会弥生会議の一般質問があり、市政や教育行政に多くの議員の皆様から、質問や提言をいただきました。

以下は、教育委員会(教育長)にいただいた質問とそれへの答弁の主なものです。

いただいたご意見は、これからの施策に活かしていきたいじょう(~「じょう」は丹波篠山の方言を使っています)。

 

個人 8番 渡辺 拓道 議員

【質問事項1】ポスト真実時代の教育と行政の役割について

【質問主旨】

1教育方針ではAI技術の高度化による「ポスト真実」時代の進行に対する危機感やそれに対する対策を全く読み取ることができないが、教育長はこの時代の変化をどのように考えているのか。

2教育行政は、ポスト真実時代を生き抜く力を高める教育を全世代に進めていく責務があると考える。特に情報弱者とよばれる高齢者を含む生涯学習の分野において、いつまでも操作方法の提供だけでなく、命や財産を守るための情報との向き合い方、情報リテラシー、デジタルリテラシーを学ぶ機会を十分に用意するべきではないか。

3子どもたちには、情報教育の中で工夫してもらえればいい。具体には、AIの仕組みやフェイクニュースの見分け方を「基本技能」として教えることが大切である。ただ、物事の審議を確かめるための基礎学力を伸ばし切れていないことが心配である。少人数教育の良さを生かせてないのではないか。今後こどもたちにどう責任(基礎学力の定着)を果たしていこうと考えているのか。

4教育方針にある自己肯定感は、社会を生き抜くためには必要なものであるが、ポスト真実時代を生きていくには、「寛容さ」と「慎重さ」が必要である。情報の正誤をめぐって対立するのではなく、グレーゾーンを許容する心の余裕、正義を振りかざすのではなく、少し時間をおいて判断する知恵も必要だと考える。子どもたちのバランスの取れた自己形成をお願いしたい。

 

【教育長答弁】

質問事項1「ポスト真実時代の教育と行政の役割について」、お答えします。

質問1「時代の変化」については、AI技術の高度化により、いわゆる「ポスト真実」とも言われる時代が進行する中、社会の在り方とともに、教育の在り方も大きな転換期を迎えていると認識しています。

丹波篠山の教育においても、「デジタル・シティズンシップ教育の推進」を教育施策に掲げ、「情報技術の利用における適切で責任ある行動規範」を身に付ける教育に取り組んでいるところです。

丹波篠山市教育委員会は、令和7年9月に、「丹波篠山市における生成AIのガイドライン」を策定し、AI活用が進む一方、利便性と危険性の双方を正しく理解できるようにしています。

 

次に、質問2「ポスト真実時代を生き抜く力を高める教育を全世代に進めていくこと」について、お答えします。

ポスト真実時代の中、令和7年度には、高齢者大学「かやのみ学園」にて、SNSの影響等を題材に「情報リテラシーの重要性について」講演会を実施したところです。参加者からは、「何を信じていいのかわからない。ネットニュースやSNSを鵜呑みにせず、発信元を確認する意識を持ちたい」「ネットを使いこなす若い世代、子や孫に相談をしようと思う」といった感想がありました。

今日のデジタル社会の中で、情報を見極める力を身につけることについては、必要なことと認識しています。高齢者大学をはじめ、スマホ教室、特殊詐欺から身を守る講座等、学習の機会の充実を図り、情報弱者と呼ばれる高齢者が安心して暮らしていける社会を目指していきます。

 

次に、質問3「AIの進化の中で物事の真偽を確かめるために必要な基礎学力をどのように伸ばすのか」及び質問4「ポスト真実時代を生きていくには「寛容さ」と「慎重さ」が必要である」とのご提案について、お答えいたします。

子どもたちに対して、生成AIの仕組みやフェイクニュースの見分け方を基本的な技能として指導していくことは重要であると考えています。先程、紹介させていただきました「丹波篠山市における生成AIのガイドライン」を策定し、AI活用が目的化することのないよう、生成AIの仕組みや特徴を理解する資質・能力の育成に資するかを十分に吟味するとともに、教職員のAIリテラシー向上のための研修も計画的に実施しています。

基礎学力の定着に向けては、学力向上プロジェクトチームにより、全国学力・学習状況調査等の分析を丁寧に行い、例えば、文章構成を意識した読解指導や復習による学習の定着化等、全ての学校で学力向上に取り組んでいるところです。少人数教育によるきめ細やかな指導とともに、家庭学習のリーフレットを周知して家庭との連携にも努めています。

さらに、物事の真偽を確かめるためには、道徳心や規範意識といった道徳的価値観の醸成も必要です。道徳科においては、対話的に学びを進め、多様な価値観に気づき、自己への気づきを促す取り組みを進めています。

また、ポスト真実時代において、様々な人との関わりを通して人間関係力を育成する必要もあります。異学年交流や「学び合い」を通して、友だちと関わり合いながら、自己と他者の折り合いをつけていく「主体的・対話的な学び」を推進しています。そういった自分と違う価値観を学びの中で受け入れ、対話の中で新しい価値を創造する等の考え方が大切です。そのことが、「寛容さ」と「慎重さ」を伸ばすことにもつながっていくと考えます。

今後も、確かな学力と豊かな心の両立を図りながら、ポスト真実時代の中、新たな技術と適切に向き合う教育を着実に推進していきます。

 

(追加質問)いま世界では、教育方針にある「グローバル化の益々の進展」と違う動きも起きているのではないか。

外国籍の児童生徒が身近にいるのが普通になる等「変化の激しい時代」になってきた一例として挙げています。ここで言いたかったことは、「変化の激しい予測困難な時代」に生きる子どもたちに、人生を生き抜いていく力を育成していこうということです。

 

(追加質問)「ポスト真実時代を生き抜く力」をもっと全世代で進めていかなければならないのではないか。

確かに、いま説明したように学校や高齢者への対応が中心になっていたかもしれません。ご指摘いただいた、未就学児期や児童クラブなど、もっと広い視点も持って進めていかなければならないと思います。

 

(追加質問)最近の学力検査で見えてきた課題への具体的な対応は。

はじめに、近年の学力検査(全国学力・学習状況調査、市学力・生活習慣状況調査)における丹波篠山市の正答率は、実施年度や学年により結果にばらつきはありますが、年度によっては+6ポイント以上高い項目もある全国平均と同程度であることをお示ししておきます。そんな中、本年度一つの学年において初めて+6ポイント以上低い結果が出ました。

調査により測定できるのは、学力の一部であり過度に点数にこだわるのは違うと思いますが、ポスト真実時代においてAIの仕組みやフェイクニュースを見分ける読解力などの学力はどの学年でも必要な力なので、今回明らかになった課題に全市をあげて取り組んでいきます。

具体的には、国語においては文章を読み解き自分の考えをまとめる力(作文力等)、算数においては、基礎的な計算力や図や表を理解活用する力、「理由」を言葉で説明する力などに課題があり、早寝早起き等の生活リズムを整え、復習や書く力の育成などに努めていきます。

 

(追加質問)教育方針で「自己肯定感」を強調し過ぎているのではないか。

子どもたちには、変化の激しい社会で生き抜いていく力(主体性・協働性等)を育成していかなければなりません。多様な未来を生きていく原動力として自己肯定感の育成は大切だと考えていますが、それだけでいいとは思っていません。自己肯定感や自尊心、自信が大事であることは以前から言われていることで、今も変わっていないと思っていますが、国の方針や最近の動きなどは確かめて行きたいと思います。

一般質問3-1
一般質問3-2