09.普門山観音寺(曹洞宗)
本篠山バス停から徒歩約5分
江戸末期のたたずまいを残し、妻入り商家が建ち並ぶ河原町の通りを200メートルほど行くと、いかにも禅寺らしい「観音寺」がある。ご本尊は、仏師春日または定朝の作という釈迦牟尼如来坐像であり、丹波西国観音巡拝第十六番札所になっている。
永禄5年(1562)、波多野晴秀(晴通)公はかねて崇敬していた知足村西山麓(今の観音寺谷というところ)の「観音堂」を八上城下に移築のうえ、母の秋臨院殿葉山妙紅大禅定尼を施主に、洞光寺の要山玄的大和尚の高弟嶺玖和尚を開山として観音寺を創建したのが、当寺のはじまりである(今も、八上に観音寺屋敷の地名がある)。
篠山に築城後、この地に移されたが、寛文10年(1670)、正徳4年(1714)、享保5年(1720)と焼失し、その都度再建された。
観音堂の木像十一面観音立像(町・文)は平安期の作で、もと東新町割場の「宝寿院」の観音堂にあったのを奉安したものであり、古くは、三岳の寺院にあったと言われている。また、篠山城大書院の障壁画や、南画の平地藍岳の襖絵がある。最近山門と観音堂が立派に改修された。
「丹波篠山五十三次ガイド(改定版)」(平成7年8月発行)より
※地名・交通経路等は書籍発行時のもので、現在の状況とは異なる場合がありますのでご注意ください。
更新日:2020年06月23日