43.遺芳殿

更新日:2020年06月23日

下立町バス停から徒歩約5分

王地山公園の北側に「遺芳殿」がある。昭和18年、忠霊殿として創建され、戦後に遺芳殿と改称した。もと神戸連隊区・八市三郡の戦没英霊3万2千余柱が祭られている。毎年、5月9日、合同懸霊祭が行われていた。
下の広場にある立派な建物は、昭和61年に完成した「遺族会館」である。
館内には、元篠山歩兵第70連隊の軍旗の竿頭と旗地の一部(町・民)、それに軍旗日記が保管されている。
篠山歩兵第七十連隊は昭和12年4月、当時の満州(現・中国東北部)に派兵され、大陸を転戦の後、同20年4月、本土防衛の主力部隊として宮崎県に移り、敗戦を迎えた。同8月29日に軍旗の奉焼式が行われ、部隊は解散した。
ところが、石川粂吉連隊長は焼却するに忍びず、極秘裡にこれらを保管したという。戦後も10余年が過ぎ、世相も変ったので、昭和31年、原隊の所在地であった篠山へ持参したのである。おそらくわが国唯一のものであろう。

「丹波篠山五十三次ガイド(改定版)」(平成7年8月発行)より
※地名・交通経路等は書籍発行時のもので、現在の状況とは異なる場合がありますのでご注意ください。