46.五台山東窟寺(天台宗)と岩谷の観音さん

更新日:2020年06月23日

篠山本町(誓願寺)バス停から徒歩45分

「丹波与作生誕の地」の碑から北へ約1キロメートル毎に「下の堂」、「中の堂」、「十王堂」と、昔は、辿りながらお参りしたと聞く。
この寺は、大化年間(645~50)に法道仙人が開いたと伝えられる。山号は、山上の五つの大岩石(町・史跡)から、中国の仏教霊場「五台山」に因んだものであり、その東面の巖窟に教典を納めたことより、「東窟寺」と称するとされる。
ご本尊は、十一面観世音菩薩立像である。三岳修験道と共に栄え、その後も天台寺院として法灯を守り継ぎ、度々火災にあったがその都度復興した。
江戸時代には、篠山城主の祈願所となり、寄進や参拝をうけ崇敬された。
境内から左へ約600メートル登ると「岩谷の観音さん」に着く。ここの観世音菩薩は「つごもり観音」といい、月末に参拝者が多い。観音堂の裏の洞穴に、蛇を右手で押さえた法道仙人の石像が祭ってある。仙人は、毎年、村の娘を人身御供に要求していた9頭の大蛇を教化したので、その後、大蛇は寺を守り、村のために尽くすようになったという説話が伝わっている。

「丹波篠山五十三次ガイド(改定版)」(平成7年8月発行)より
※地名・交通経路等は書籍発行時のもので、現在の状況とは異なる場合がありますのでご注意ください。