47.石くど
篠山本町(誓願寺前)バス停から徒歩約20分
新宮古墳から東へ約300メートルのところに、「石くど」(町・史跡)と呼ばれている遺構がある。
これは、6世紀後半ごろの築造された、横穴式石室をもつ古墳で、大きな円墳であったと思われる。封土(盛り上げた土)がなくなって、石郭の巨石が露出したもので、一見、かまどの「くど」に似ているところからその名がある。
石室は無袖型式で、外側の高さ約3メートル、長さ約4メートル、東南に向って羨道(えんどう・入口から玄室、すなわち石棺を納める部屋までの通路)跡の部分は約5メートルあり、側壁東側は5枚の側石が残り、三段に積み重ねている。奥壁は2枚で、上には巨大な天井石が2枚架け渡してある。石室内から遺物が出たという記録については何も残っていない。
昭和52年に行われた範囲確認調査によっても、特に出土品はなく、周濠をもっていないことがわかった。
飛鳥の石舞台古墳を思わせる大変珍しいものであり、この付近では、火雨が降ったときの隠れ場だという言い伝えがある。
「丹波篠山五十三次ガイド(改定版)」(平成7年8月発行)より
※地名・交通経路等は書籍発行時のもので、現在の状況とは異なる場合がありますのでご注意ください。
更新日:2020年06月23日